REC/レック

監督:ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ

脚本:ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ

出演:マニュエラ・ヴァラスコ、フェラン・テラッツァ、ホルヘ・ヤマン、
カルロス・ラサルテ、パブロ・ロッソ、ダビ・ヴェルト

ストーリー

 2007年。スペイン、バルセロナ郊外。ローカルTV局の若い女性レポーター、アンヘラはカメラマンと共に消防隊の密着取材をしていた。深夜、老婆の叫び声を聞いたという通報を受けて現場アパートに急行すると、そこにはこの世の者とは思えぬ老婆の姿があった…。その後、突如、封鎖されるアパート。その中で拡がり出す“ある病原菌”。閉ざされた空間で、究極の恐怖に直面することとなった人々には、隠れ、逃れ、必死に生き残ろうとする以外、術がなかった。次第に露わになる謎、明らかになるほど増していく恐怖の出来事を克明にカメラはとらえ続ける。女性レポーターとカメラマンが最後の一瞬まで記録しようとしたもの。それは、逃げ場のない、戦慄の事実。

レビュー

 スペイン産のPOVゾンビホラー。封鎖されたアパートという密室を舞台に、生前より明らかにアグレッシヴなゾンビに襲われるだけの内容で75分間を強引に乗り切ったスペイン人らしい情熱的な作品。手ぶれ上等のハンディカム撮影に絶妙なタイミングで繰り出されるショッカー演出など、三半規管と心臓のどちらかが弱い人は覚悟が必要な映画でもある。どっちも弱い人は多分、死ぬことになると思うので絶対に観賞厳禁。音量を最小にして画面から10メートルぐらい離れた方が賢明である。

 ストーリーの8割は、主人公の女性レポーター・アンヘラがギャーギャーと喚き散らしているだけなので、「アンヘラ早く逃げて〜!」と手に汗握り締めて応援するか、「いいから早く死ねよバカ女」という感想を抱くかで、作品の評価が180度変わってしまうと言っても過言では無いだろう。もっとも、YAHOOなどの検索エンジンで「REC アンヘラたん」で相当数がヒットするところを見ると、この映画を観た多くの人間が彼女に愛着を持ったことは間違いないだろう。一方、本作のハリウッドリメイクである「レック/ザ・クアランティン」の評価は「女性レポーターうざい」や「イライラする」という感想が多いので、結局は世の中顔が全てだということがよく分かる。

 狭いアパートを縦横無尽に駆け回るゾンビたちのバリエーションも豊富で、「ドーン・オブ・ザ・デッド」のヴィヴィアンを彷彿とさせる少女のゾンビや、パンツ丸出しの中年デブ女ゾンビ、絶対に来るだろうと分かっていても相当ビビる天井裏の少年ゾンビなど、個性派揃いの死体どもが登場人物と観客を恐怖と絶叫の渦に巻き込んでくれる。特に、終盤で姿を現す感染源の悪魔憑き女のインパクトは強烈で、暗闇の中で獲物を発見するや、手に持ったハンマーを凄い勢いで無茶苦茶に振り回し襲いかかってくるのはトラウマ級に恐い。実は「サンゲリア2」に登場した寛平ゾンビとやってることは大差無いが、ギャグ以外の何物でも無かった寛平ゾンビと違い、ここまで秀逸な恐怖シーンを演出出来たのは監督の力量によるものだろう。余談だが、ゲームの「LEFT4DEAD」には、この悪魔憑き女を参考にしたと思われる“ウィッチ”と呼ばれる超厄介なゾンビが登場していた。

 

この女性レポーターを好きになれるかどうかが鍵

 

  

絶妙なタイミングで繰り出されるショッカー演出が秀逸

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送