デッドライジング
ウォッチタワー

監督:ザック・リポスキー

脚本:ティム・カーター

出演:ジェシー・メトカーフ、ミーガン・オリ―、
ヴァーニア・マドセン、デニス・ヘイスバード、ロブ・リグル

ストーリー

 ジャーナリスト、チェイス・カーター、彼の相棒の女性カメラマン、ジョーダンは、オレゴン州のゾンビパンデミックにより、政府機関、FEZA(ゾンビオーソリティ)によって、壁に囲まれたエリアの取材を試みる。そこでは抗ゾンビウィルス薬<ゾンブレックス>によって、ゾンビウィルスの治療が試みられていたが、その薬の投薬は失敗、逆効果となってしまい街中にゾンビウィルスが広がってしまった。チェイス、ジョーダン、そして彼らとであった子供を探す母親のマギーそして謎の女性クリスタルは、政府がゾンビを消滅させるための空爆作戦の前に、この街からの脱出を図る。

レビュー

 「バイオハザード」に次ぐカプコンの人気ゾンビゲー「デッドライジング」を、ハリウッドのレジェンダリー・ピクチャーズが映画化。ゲームの生みの親である稲船敬二が金をドブに捨てて自らメガホンを取った屍病汚染」、SABU監督の短編「TOKYO DEAD RISING」に続く3度目の実写化であり、時系列ではゲーム版の2と3の間のお話となる。ゲームを遊んでいないと、ゾンビ化の発症を抑える特効薬が普通に存在している舞台設定にまず戸惑うかもしれないが、ゾンビ映画としての出来は極めて平均的な出来。ただ、やはり原作を知らないと、画面の至るところに登場する黄色い謎のキャラクターグッズや、テレビで女性キャスターと全く噛み合わないやり取りをするオッサンなどは完全に映画の視聴を妨害するノイズでしかないので、この映画を余すことなく楽しめるのはゲームファンだけであろう。

 特に、武器と武器を組み合わせることによってより派手なゾンビの死に様を楽しむことが出来るコンボ武器の扱いに関しては一層それが顕著であり、ゲームをやっていない人間には、それだけで十分ゾンビを屠れる威力のあるハンマーの反対側にクソ重い回転ノコギリを付けてわざわざ扱いにくくする主人公の珍妙な行動に尋常ならぬ違和感を抱くことであろう。そう考えると、自分の足で立つことさえ出来ない非力な青年が、チンピラと戦うために色んな武器を車椅子にくっ付けて魔改造していた「屍病汚染」の方がストーリー上違和感なくコンボ武器を登場させていたといえるが、あの映画に関してはそれ以外の部分が壊滅的にダメなので、別に今になって稲船監督を再評価するつもりは更々無い。

 中盤で主人公がゾンビの群れに突入するシーンは、前述したコンボ武器を初めとし、周囲のカラーコーンや看板、更にはもぎ取ったゾンビの腕までをも駆使して大立ち回りを演じる様をワンカットで捉えており、ゲーム版の面白さを短時間で濃縮させた名場面といえるだろう。それを考えれば、やはりファンムービーとして珠玉の出来なのかもしれないが、難を言えばゲーム版のサイコパスとして位置付けられているであろう存在が単に「ゾンビ」に登場するサビーニ軍団の劣化版なのは少々インパクトに欠けていると思うし、殺人ピエロのアダムに至っては単なるピエロの格好をしたゾンビ過ぎないというのも何だか物足りない印象を受ける。どうやら続編も製作中とのことなので、次回作ではゲーム版に負けないくらいの強烈なサイコパスの登場を願いたい。

 

TVに登場するフランク・ウェスト。残念ながら全然似てない

 

殺人ピエロキター!と思ったらゾンビだった…

 

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