エクスクロス
魔境伝説

監督:深作健太

脚本:大石哲也

原作:上甲宣之

出演: 松下奈緒、鈴木亜美、
中川翔子、小沢真珠、池内博之

ストーリー

 彼氏に浮気され、落ち込むしよりを親友の愛子が「阿鹿里村」への温泉旅行へと誘う。日が落ちて静まり返った村。突如、村中が停電に見舞われる。暗闇の中で、部屋の奥から鳴り響く謎の携帯電話。「今すぐ逃げろ!足を切り落とされるぞ!」見知らぬ声の主の叫びとともに村の様子が一変、村人たちが、しよりに襲い掛かってくる。小屋の四方を取り囲んだ村人たちを振り切って、着の身着のまま飛び出すしより。一方、愛子も謎の女レイカに襲われ、窮地に陥っていた。複雑な人間関係が謎を深め、2人は更なる恐怖へと追い込まれてゆく…。

レビュー

 第1回「このミステリーがすごい!」大賞で、特別賞を受賞して話題となった「そのケータイはXX(エクスクロス)で」の映画化。原作は、人里離れた不気味な寒村を舞台に、村人から執拗に狙われている女子大生のしよりと愛子が、携帯電話を頼りに村からの脱出を図るという内容なのだが、物語の中盤で村の風習とは無関係キチガイ女レイカがハサミを振り回して大暴れしたり、携帯電話を通して散々アドバイスをし励ましてくれた物部という男が実は超絶なブ男であることが判明した際にしよりがとってしまった行動など、予想の遥か斜め上を行くバカ展開の数々の方が強く印象に残る作品である。原作からしてそんな感じの闇鍋状態なのに、映画のメガホンをとったのが世紀のバカ息子・深作健太だったので、原作を軽く凌駕するほどの大バカ映画が誕生してしまった。勿論、これは褒め言葉である。

 物語の偏差値もグッと下がり、原作の“一見狂っているようだけど実はマトモな村人たち(でも実は…?)”という何重にも解釈のできた村人たちの描写も、映画では全員ゾンビのようなメイクで序盤から「SIREN」の屍人ばりに殺る気まんまんで襲い掛かってくるわ、本筋とは無関係なキチガイ女レイカも何故かゴスロリ衣装に身を包んで「クロックタワー」のシザーマンばりにありえないデカさのハサミを振り回すわで、原作の要でもある“疑心暗鬼”の4文字は、鈴木亜美演じる愛子のチェーンソーに刻まれ回し蹴りと共に吹っ飛んで大爆発である。自分でも言っている意味が分からないがマジでそういう映画なので仕方が無い。クライマックスも大きく変更され、今まさに村人たちの生贄に捧げられようとしているしよりの元へ、愛子が「ちょっと待った!」と勇ましく参上。写メのフラッシュで村人を撃退していくと、今度は爆死したハズのレイカが乱入。巨大ハサミで邪魔な村人連中をザクザクと刺殺しまくり、もはやこの映画が何処に向かっているのか分からなくなったところで物部が車で登場。無事に村を脱出し、「いやぁ、危なかったねー」と振り返ったその顔はフットボールアワーの岩尾だった…という原作通りの命の恩人はブ男オチ。かと思いきやその後、やっぱり生きていたレイカがベタッと車の窓に張り付いて沢真珠いい加減仕事選べよオチで終劇となる。

 要所要所で荒削りな部分も見られるが、それを上回る程にインパクトのあるシーンが多く、深作健太監督のあまり深く考えずに勢いだけで突っ走るような演出の数々が、今回は見事にプラスに働いたといえる。是非、同じスタッフで続編の「地獄のババぬき」も映画化して頂きたい。こちらは、旅行バスの乗客全員が毒を飲まされるバスジャック事件に巻き込まれたしよりと愛子が、解毒剤を賭けて地獄のババぬきをするデスゲームもの。映画では中川翔子が演じた弥生が途中参戦して活躍を見せたり、服役中である筈のレイカが乱入してきたりと、前作以上にカオスな内容になっている。まぁ、ただ延々とババぬきをやってるだけのお話なので映像的に地味になることは否めないだろうが…。

 

チェーンソーvs巨大ハサミ!アホすぎる!

 

  

一方、大変な目にあってるしより。この後、怒涛の展開に…

 

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