クイーン・スパイダー

監督:ディビッド・ウー

脚本:グレンヴィル・ケース、ロビンソン・ヤング

出演: リチャード・グリエコ、ケイト・グリーンハウス、
コリン・フォックス、アンソニー・アシュビー

ストーリー

 シカゴの廃墟ビルで起こった電力異常の調査に向かったディーンとスタッフ4人。原因究明中、偶然にも地下にあった装置「ポータル」を誤って作動させてしまい、怪光と共に4人は空間移動してしまう。辿り付いた先はシカゴでもパラレルワールドのシカゴ!そこでは見たことも無い姿に変わり果てた人間や、巨大グモが次々とディーン達に襲い掛かってくる。彼等はクモ人間から逃げ延びて暮らす人々に助けられ、難を逃れる。そして本当のシカゴに戻るため、「ポータル」の設計者・モレリ博士を手伝う事にするが、クモ人間達に隠れ家を突き止められ、ついに総攻撃が始まった!

レビュー

 巨大蜘蛛が突然変異して登場人物に襲い掛かってくる映画は星の数ほどあるが、登場人物が蜘蛛の支配する平行世界へとワープしてしまう映画は本作だけだろう。まさに蜘蛛版「猿の惑星」。ビルの解体作業をしていた電気技師の4人は、地下で発見した怪しげな装置を勝手に弄くり回してしまい、「蜘蛛の惑星」へと飛ばされる。そこを支配していたのは“クイーン”と呼ばれる1匹の巨大蜘蛛。クイーンは人間に毒を注入することで、忠実な兵士である蜘蛛人間を生み出すことができるのだが、その風貌は口からはみ出た牙に長い爪、小走りでシャカシャカと襲い掛かってきたりと、思いっきり「デモンズ」である。映画の大半が、この蜘蛛人間と生存者の戦いに終始しているので、巨大蜘蛛映画というよりはゾンビ映画に近い。よって、3度の飯より巨大蜘蛛が好きという理由でこのビデオを手にとってしまった蜘蛛フェチの方々は本当にご愁傷としかいいようがない。

 しかし腐っても巨大蜘蛛映画。クライマックスはそれまでの鬱憤を晴らすかのごとく、クイーンがギャース!と襲い掛かってくるのだが、20秒も経たずにワープ装置のケーブルを押し付けられて感電死するあたりが実に切ない。その反動でワープ装置のゲートが開き、主人公が仲間の生死などお構いなしとばかりに、速攻で女だけ連れてゲートに飛び込み現実世界へと帰還する怒涛のラストは呆気にとられること請け合い。恐らく、脚本家が途中で物語の辻褄が合っていないことに気付いてヤケクソになってしまったものと思われる。

 脚本はともかく、監督はそれなりにキャリアのある人間なので、B級映画の割りには演出が手堅く仕上がっており、巨大蜘蛛の出番が少ないことと、訳の分からない世界に飛ばされたのに、路上で大金を見つけた瞬間に「やったー!大金持ちだー!」と小学生みたいに大ハシャギする行為など、登場人物が全員途方も無いくらいバカだということに目を瞑れば、苦笑いしつつも楽しめる作品である。

 

 

クイーンに噛まれたら蜘蛛人間になる。「デモンズ」っぽい

 

 

ラスボス弱っ!

 

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