テケテケ

監督:白石晃士

脚本:秋本健樹

出演:大島優子、山崎真実、西田麻衣、      一慶、水木薫、沢柳廸子、つじしんめい

ストーリー

 大橋可奈のクラスメイトである関口綾花が、下半身のない死体で発見された。この事件を機に、学校では“テケテケ”の話題で持ちきりである。そして、噂は可奈の耳にも入ってくる。“テケテケ”を見た者は72時間以内に必ず死ぬ。可奈は図書館に赴き、都市伝説について調べ始める。そこで、従姉妹で女子大生の平山理絵に偶然出会うのである。理絵は大学の心理学科に通い、都市伝説に関する卒業論文を纏めていた。理絵の話によれば、“テケテケ”のルーツは兵庫県の加古川で、戦後間もなく起こった女性の鉄道投身自殺にあるという。2人は早速加古川へ向かう。そこで2人は、地元の大学を訪れ、理絵の教授から紹介された行方教授と助手の武田慎から鉄道投身自殺した“カシマレイコ”という女性について話を聞く。

レビュー 

 「口裂け女」に次ぐ白石晃士の都市伝説ホラー。“テケテケ”という名前を聞いて、真っ先に「学校の怪談」シリーズのピンク色のアイツを思い浮かべる人は多いと思うが、あれは小学生向けにデフォルメを加えた結果であり、本来の姿は下半身の無い女性の亡霊である。両腕で体を支えて高速で動き回る時に“テケテケ”という音(地域によっては“シャカシャカ”)がするというのが名前の由来で、下半身が無い理由は戦争だったり、交通事故だったり、踏切事故だったりと様々なバリエーションが存在している。

 その“テケテケ”を、恐らく初めてマトモに実写化したのが本作である。伝説の通り、両腕でカサカサと高速移動する姿も描かれており、多分、日本で20人くらいしかいないであろう、熱心なテケテケマニアを歓喜させてくれる。犠牲者が豪快に上半身を吹っ飛ばされる爽快なスラッシャーシーンもあり、怨霊モノ中心で陰湿なイメージの強い和製ホラーの中では異色ともいえる作品である。「ワタシ、キレイ?」→「私を、切れ」という超解釈「口裂け女」でやらかした白石晃士だが、本作でもテケテケが実は駐進軍に集団レイプされたショックで、鉄道投身自殺をした“カシマレイコ”という女性であったことが判明。テケテケと共通点の多い、カシマレイコ伝説を起源にしているのは上手いが、テケテケが赤色を嫌う理由が、集団レイプの際に陰部から出血したことが原因というのは、流石に無理があるように感じた。

 ストーリーは完全に「リング」の劣化コピーであり、“目撃したら3日以内に死ぬ”と噂されるテケテケに遭遇した女子高生のヒロインが、大学生の従姉妹と共に呪いを解く為に奮闘するというもの。苦労の末に呪いの原因となったモノを発見し、対処→実は全然違うことが呪いを解く鍵だった→大切な人が死亡→欝ENDという終盤の流れも恥ずかしいくらい「リング」と一緒で、もう少しどうにかならなかったのかと思ってしまう。尚、本作はアートポートお得意の2作同時上映作品であり、一緒に公開された「テケテケ2」は、イジメを受けている女子高生がテケテケを利用して復讐を行っていく痛快なストーリーで、劣化「リング」の本作より何倍も楽しめる作品だった。

 

タイムリミットまでに呪いを解け!…ってまんま「リング」

 

 

テケテケの豪快な殺戮シーンは必見

 

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