サスペリア・テルザ
最後の魔女

監督:ダリオ・アルジェント

脚本:ダリオ・アルジェント、ジェイス・アンダーソン、
アダム・ギーラッシュ

出演: アーシア・アルジェント、クリスティアン・ソリメーノ、
アダム・ジェームス、モラン・アティアス、ダリア・ニコロディ

ストーリー

 ローマの古代美術博物館で考古学の研究をするサラは、副館長のジゼルと共に、館長で恋人のマイケルの元に届いた遺品入れを開けてしまう。そこには邪悪な魔女“涙の母”を復活させる法衣が納められていた。呪縛を解かれた魔女はジゼルを惨殺し、ローマ中に呪いを放つ。さらに遺品入れの秘密を知るサラやマイケルにも魔手を伸ばし、マイケルの一人息子のポールを誘拐。愛息を探すうちマイケルも魔女の手に落ちてしまい…。

レビュー

 30年の時を経てついに完結となるダリオ・アルジェントの魔女3部作最終章。「インフェルノ」の前半で意味深に登場したのに、終盤は全くストーリーに絡んでこなかったローマの魔女“涙の母”の本格的な脅威を描いた本作は、幾何学模様と極彩色のマエストロとして芸術的な世界観を構築(でも話はサッパリ)していた今までの作風からガラリと趣向を変え、ひたすら汚いだけのゴア描写を満載した最高に最低な映画となっている。

 開始早々に「デモンズ」のアキロン大王みたいな連中が突拍子もなく現れ、女性の腹をナイフでかっさばき、こぼれ落ちた大腸を首にグルグル巻いて絞殺する品性の欠片もない殺戮シーンで大抵のアルジェントファンは度肝を抜かれることだろう。他にも、降霊師の女の股間に槍を挿入して口から貫通させたり、幼い子供の臓物を引きずり出して食ったりと、まるで犬猿の仲と噂されていたルチオ・フルチの亡霊がアルジェントに憑依したのかと勘繰りたくなる程、汚くて不快でゲンナリな残虐シーンが全編に渡ってテンコ盛り。クライマックスのカタコンベで繰り広げられるサドマゾ風味のオージーパーティに至っては、こういう光景を目にすることは日常茶飯事である筈のアーシア・アルジェントさえも思わずドン引きした語るほどの凄まじさ。「フェノミナ」のジェニファー・コネリーだけでは飽き足らず、実の娘までも蛆虫プールに突き落とす美女虐待趣味も相変わらずで、本当にこの親父は大丈夫なのかと心配になってくる。

 ところが、駄作か?と問われると答えはNOであり、これまでの2作がバレエ学校、アパートといった建物内部をメインの舞台にしていたのに対し、ローマ全域に渡って魔女の呪いが広がり、空港に各地の魔女っ娘が大集結するスケールのでかい展開は、弥が上にもこの世の終わりを感じさせ、今までとは一味違う終末映画としての趣がある。「サスペリア」で“ため息の母”を葬ったスージーの名前が劇中の台詞で登場したり、諸悪の根源である“涙の母”が「インフェルノの“暗黒の母”ばりに勝手に死んだりと、作風が変わってもシリーズの繋がりを大事にしているのもファンには嬉しい限りだ。また、アルジェントの前妻であり、アーシアの実の母親でもあるダリア・ニコロディが劇中でもアーシア演じるサラの母親役として登場しているので、アルジェント家の仲直り映画としての見方が出来るのも面白い。

 

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