口裂け女2

監督:寺内康太郎

脚本:寺内康太郎

出演:飛鳥凛、川村ゆきえ、中野英雄、
斉藤洋介、岩佐真悠子

ストーリー

 岐阜県で養鶏所を営む沢田家に、残虐な事件が起こる。長女・幸子の昔の恋人が、幸子と間違え、三女・真弓に硫酸を浴びせたのだ。その事件後、町では真弓通う高校の生徒や卒業生が被害者となる連続殺傷事件のニュースが飛び交うようになる…。

レビュー

 豪華キャストの前作とは打って変わり、若手アイドルが多数出演した見るからに低予算の続編。今回は口裂け女の誕生に迫ったストーリー展開で、いわば口裂け女ビキニングとも云える内容。勿論、前作の口裂け女とは全く無関係な3姉妹の物語である。1978年に岐阜で起きた実際の事件をベースにしているという胡散臭いテロップが冒頭に入るが、調べてみたら口裂け女の噂の発祥が岐阜県というのは本当らしく、口裂け女が3姉妹の末っ子であるという説もあることから、スタッフはそれなりに勉強した上で事件をでっちあげたものと思われる。

 観初めて数分、陸上部員の主人公がブルマ姿でクラウチングスタートしている様をバックから捕らえる変態ショットがいきなり炸裂し、その後も、憧れの先輩の第2ボタンが欲しいだとか、先輩の為に手袋を編んだら鍋掴みみたいなっちゃっただとかのこっ恥ずかしい恋愛描写が延々と続く。間違えて「耳をすませば」でも借りてきてしまったのかと思って慌ててディスクを取り出して確認したら、口を血塗れにした少女がこっちをガン見してる絵が描いてあったので、どうやら口の裂けた女が襲ってくるホラー映画の2作目ということで間違い無いようだ。一番上の姉がめでたく結婚したり、自分も大好きな先輩と文通を始めたりと、一体いつまでこのノロケを見続けなければならないのだとウンザリしてきた頃、悲劇は突如として訪れた。

 結婚した長女の元カレが一家を襲撃し、母親は刺殺され主人公も顔面に硫酸をブッ掛けられて口が裂けるほどの大火傷を負ってしまう。更に追い討ちをかけるように父親が自殺。ドデかいマスクを被って登校する主人公は陰湿なイジメに遭い、順風満帆だった一家はあっという間に不幸街道を突き進むことになる。だが、そんな中でも長女の旦那が頑張ってくれたり、美容師を目指す次女が店を任されることになったりと、ドン底な状況を打破できるかのような僅かな希望の光が見え隠れするが、文通を続けてた先輩に彼女がいることが判明したことで主人公の精神が崩壊。物語は更に最悪な方向へと進んでいく。 

 ニュースを騒がせている連続通り魔事件の犯人が末っ子であることを核心した2人の姉は彼女を毒殺して山に埋めるのだが、何と末っ子は復讐の鬼と化して復活。次女と長女をハサミでメッタ刺しにし、ようやくホラー映画らしくなったところで物語は終わる。陸上部所属、趣味が裁縫、好きな先輩が付けてたポマード、べっこう飴などの作中随所で見られたキーワードがラストに集約されるのは秀逸で、B級ホラー風味だった前作よりも脚本が練られているのは好印象。次女が殺されるシーンなどを見ていると予算の低さは否めないが、演出の上手さがそれを十分に補っているといえる。主人公の飛鳥凛はその後、「ひぐらしのなく頃に」の園崎魅音(あと多分詩音も)役を演じ、新世代ホラー女優としての道を驀進中である。

 

前半は昔の少女漫画のようなヌルいラブコメが続く

 

 

次女が殺されるシーンは「バーニング」のオマージュ?

 

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