怨霊の森

監督:ラッキー・マッキー

脚本:デヴィッド・ロス

出演:アグネス・ブルックナー、パトリシア・クラークソン、
ブルース・キャンベル

ストーリー

 薄暗い森に囲まれる全寮制の高校に転入したへザー。厳しい戒律と皆の奇妙な行動。そして夜毎森から聞こえる無気味な声に反応するかのように、1人、また1人と生徒が姿を消すのだった。やがて学園と森とを結ぶ恐ろしい過去の封印が解かれた時、ヘザーは恐怖の底へと引きずり込まれていく…。

レビュー

 日本ではビデオスルーだったラッキー・マッキー監督のゴシックホラー。この監督、ふざけた名前が妙にイラっとくるが、そんじょそこらの映画監督より才能があると思う。お気に入りの部位を集めて自分だけの友達を組み立てるゴスっ娘(「MAY」)や、妙な虫に噛まれ徐々に昆虫に変身していくグロっ娘(「虫おんな」)といった、単なる悪趣味ホラーで終わってしまいがちな題材を耽美的に、少しも嫌悪感を感じさせない作風でサラっと仕上げてしまうからだ。その上、コアなホラー映画ファンが観ても存分に楽しめるので、まさに新世紀を担うホラー映画監督の1人といっても過言ではないだろう。

 本作もマッキーの手堅い作風により安心して楽しめる作品だ。ダリオ・アルジェント好きを自認するマッキーだが、女子寮を舞台に生徒が恐怖に晒される本作のテイストはモロに「サスペリア」である。事件の元凶が教師で正体が魔女なのも同じならば、その魔女が意外とあっさりヒロインに倒されるのも同じ。だが、「生徒の体を乗っ取る」という魔女の目的が明確に描かれている分、「サスペリア」よりも万人ウケする作品と云える。放火癖のある女の子が主人公というのは実にマッキー的だが、そんな彼女を異端視して排除しようとする生徒が出てきたり、イジメられっ娘同士で友情を築いたりと、単純に学園ドラマとして観ても存分に楽しめる。

 クライマックスは見所が満載で、木々が触手のように女子寮を這い回りベットで眠る女子生徒達に絡みつくエロゲーっぽいシーンや、さり気なく出演していた父親役のブルース・キャンベルが斧を片手に殴り込みをかけるなどの「死霊のはたわた」ネタが楽しく描かれる。こういった、ホラーマニアに対するファンサービスを忘れないところはさすがマッキーといったところか。

 

 

女子校ならではのドラマが楽しめる

 

黒いゲロを盛大に吐くブルース・キャンベル

 

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