ダイナソークライシス3

監督:ジョナサン・ウィンフリー

脚本:スコット・サンディン

製作総指揮:ロジャー・コーマン

原作:ハリー・アダム・ナイト

出演:スコット・バレンタイン、ジャネット・ガン、
モーガン・イングランド、リック・ディーン

ストーリー

 テロリストによって強奪された超機密生物兵器を奪回せよ」との指令を受けた精鋭スペシャリストが遭遇したのは、惨殺されたテロリストの死体の山、そして太古に絶滅したはずの恐竜だった!

レビュー

 原作「恐竜クライシス」を換骨奪胎して悪趣味SFホラーに仕上げた1作目、「エイリアン2」のウォーリアーをラプトルに、クイーンをティラノサウルスに置き換えてみせた2作目ときて、3作目は物語もグッとシンプルになり、本作は米軍のコマンド部隊と恐竜が倉庫とタンカーの中でひたすらドンパチしているだけの映画であり、冗談抜きでそれ以上のストーリーが存在しない。しかし、「ダイナソークライシス」の1作目から散々使い回してボロボロになった恐竜の造型の粗を隠すためなのか、細かいカット割やテンポの良い編集が全編に渡って駆使されておりそれが功を奏して意外と普通に楽しめる単純明快なモンスターパニック映画となっている。

 ただ、本作にはどうしても見過ごせない案件が存在しており、それは登場する軍人連中がどいつもこいつも途方もないバカ揃いあるということだ。緊迫したシーンではとにかくペチャクチャ喋るし、作戦会議の最中に「あの女のケツ最高だぜ!」と書いた手紙をこっそり回し合いっこするし、海兵隊との協同作戦では任務をサボって腕相撲大会を開催するといった具合に、恐竜退治をする精鋭部隊というよりは修学旅行ではしゃぐ中学生集といった方が近い。キャラ付けもイマイチなので、テンポよくラプトルに食い殺されていく終盤になってくると、誰がどこで死んだのか本気で分からなくなる。映画の中で一番個性があるのが、コーマン尊師が大変お気に召されている下っ腹のだらしなく弛んだティラノサウルスというのも頭を抱えたくなってしまう。

 クライマックスは「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」に対抗してなのか、洋上に浮かぶタンカーでティラノと対決という本家同様のシチュエーション。勿論、スピルバーグ映画の予算とは天と地ほどの差はあるものの、過去作からの流用映像でお茶を濁さずに、新撮シーンでラストバトルが見られるのはシリーズ全体から見ても貴重であるといえる。また、これは完全なる余談であるが、2006年にコーマン尊師がプロデュースした、チタン合金のサソリと精鋭部隊との戦いを描いたSFホラー「ギガンテス」には本作の脚本が何から何までそっくりそのまま流用されており、何も知らずに見た俺は突如始まる腕相撲大会に激しいデジャヴが起こったことも追記しておく。

 

任務をサボって腕相撲大会をするバカ軍人たち

 

 

 「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」同様のシチュエーション

 

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