女子競泳反乱軍

監督:カワノコウジ

脚本:大和田悟史

出演:範田紗々、日高ゆりあ、
時任歩、大庭博光、吉沢季代 

ストーリー

 水泳選手権を目前に控えた女子校の競泳部。転入してきたアキは知り合ったサヤカに入部を勧められるが、校内では謎のウイルスが蔓延し、予防接種を受けた生徒と教師が次々にゾンビ化する事態が発生していた。事件に気付いたアキは呟く。「奴の仕業だ」と。次第に明かされていくアキの忌まわしい過去、サヤカの正体、女子校を襲う惨劇に立ち向かう競泳部員達の壮絶な戦いが今、始まる。

レビュー

 和製ゾンビ、Vシネマ、主演がAV女優。これだけ地雷要素が豊富でも、毎回気になって購入してしまうのがゾンビストの悲しい性なのである。しかし、たまに「ゾンビ自衛隊」のようなツッコミを入れるのもバカバカしくなるような、突き抜けた怪作に遭遇するのが面白くて、懲りずに地雷原をウヒョーッと突っ走って行くのがゾンビストである。まぁ十中八九、大爆発に巻き込まれて重傷を負うワケだが。

 とりあえず結論から言ってしまうと、本作もご多分に漏れずに最低のチンカス映画であった。ゾンビは片手で数えられるくらいの数しか登場しないし、ゴア描写は超チープ。AV女優なので演技もそれ相応のものだし、収録時間が78分しかないというのに、物語の3分の1は無意味な濡れ場に費やされている。だがそれでも、過去にJVDがリリースした「ザ・デイ・シャッフル」や「ゾンビ・オブ・ザ・デッド3」と比べて一歩抜きん出ている印象を受けるのは、全体的に丁寧な作りであることと、後半の畳み掛けるようなバカ展開のラッシュによるものだろうか。学園モノ+ゾンビホラーの組み合わせは恐らく邦画で初の試みだろうが、意外にも学校という舞台設定を上手く使いこなせているように感じた。ゾンビ・ウイルスが蔓延するキッカケとなるのは予防接種の注射だし、そのゾンビの抗体は競泳部が使用しているプールの水である。生徒はゾンビに、教師はチェーンソーを振りかざす殺人鬼に変貌し、唯一感染していない競泳部員に襲い掛かって来る展開は良く出来ているし、教室の中を手足やら内臓やら目玉やらがビュンビュン飛び交う地獄絵図もチープだけど一応拝めるので、とりあえずスタッフのやる気だけは伝わってくる。

 ところが、終盤に進むにつれて次第に物語の馬鹿馬鹿しさが増してくる。まず、ヒロインの女子高生が実は訓練された殺し屋だったことが明らかになり、今回のゾンビ事件を起こしたのは、かつて自分を肉奴隷にしていた上官であることが判明する。その頃、競泳部員達は水着姿で武器を手に「女子競泳反乱軍」を結成して校内に残ってる殺人保健教師と対峙するものの1分も経たずに全滅する。冗談抜きでタイトルの意味が分からない。ヒロインが黒幕の男を競泳グッズでボカスカ殴って倒したと思いきや、実はスパイだったヒロインの親友こそが最大の敵という事実が判明した矢先に親友は何者かに射殺され、犯人は先程倒した男の双子の兄弟だった…という急展開に次ぐ急展開で鑑賞者の脳ミソ疲労度はピークに達する。最後の対決に至っては、素っ裸になったヒロインが股をおっぴろげて陰部からビームを発射し、敵を木端微塵にする。ヒロインの股間からビームが出るゾンビ映画は、恐らく史上初であろう(当たり前だ)。ラストは綺麗に終わるかと思いきや、プールで泳いでいたヒロインがいきなり溺れ死んだりするので最後の最後まで油断が出来ない。

 とりあえず、曲者揃いである和製ゾンビ映画の歴史にまた新たな1ページが刻まれてしまったワケだが、もう、こうなったら次回作は友松直之の「ゾンビ自衛隊」とコラボしてサイボーク女自衛官と股間からビーム出す女子高生がコンビを組んで愉快にゾンビを狩っていく「女子競泳自衛隊」とか作っちゃえ。いや、やっぱ作るな。

 

 

殺人鬼化した保健教師と競泳部員の壮絶なバトル(全然)

 

 

ご開帳ビーム発射。スタッフはイカレてるぜ!

 

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