バイオ・クライシス
人類最後の敵

監督:エリオ・キロガ

脚本:エリオ・キロガ

出演:ホルへ・カサルデュエロ、ナディア・デ・サンチャゴ、
マルコ・ゴンザレス

ストーリー

 近未来。核戦争の影響で壊滅状態に陥った地球。蔓延したウィルスによって、そこはゾンビ化した人間たちの巣窟と化してしまう。辛うじて生き残った人々は、密閉されたシェルターを拠点にひっそりと暮らしていたが、蓄えた僅かな食糧やワクチン、そして武器はやがて底を尽き、怪物たちの蠢く外の世界へと足を踏み出さねばならなくなってしまう。しかし、分厚い防護扉が開かれた時、彼らが目にしたのは想像を絶するほどの絶望的な光景だった。

レビュー

 トランスフォーマー配給のスペイン産ゾンビ映画。スペインといえばテンプル騎士団のゾンビなのかミイラなのかよく分からん連中が馬に乗って襲ってくる「エル・ゾンビ」シリーズでコアなゾンビ映画ファンを唸らせたことのある情熱とゾンビの国として有名だが、本作もビデオ屋のホラーコーナーに跋扈している「〜オブ・ザ・デッド」作品とは一線を画す、本格的なサバイバル作品に仕上がっている。

 地下シェルターを舞台に繰り広げられる僅かな生存者たちの人間ドラマは「死霊のえじき」を意識しているのだと思うが、メンバーの中に幼い少年や少女がいたり、ガチホモのオッサン2人がいたりと、ある意味「死霊のえじき」よりも楽しませてくれる部分は多い。その分、危機的な状況の割にはノホホンとした能天気さが漂っていて、ゾンビ映画の醍醐味である“どうしようもないほどの絶望感”が希薄になっているのはイタイところだが、ようやくゾンビがお見えになる後半部分のスリルはなかなかといったところ。“核戦争の果ての細菌兵器使用で凶暴化した人間”という設定のゾンビは、包帯と膿と血糊にまみれたグッチョグッチョ系で、噛み付いてはこないが触れただけで即アウトという、何だかもはや別次元のモンスターになってるが、そんな連中がワラワラと襲ってくるシーンは緊張感たっぷりである。銃で撃つと肉片がブチャッと汚らしく弾けるのも「プラネット・テラー」みたいで良し。

 “インビジブル”と呼ばれる正体不明のモンスターも登場するが、デザイン、CGともにイマイチで何の為に登場させたのか全く分からない。この怪物が登場したせいで、作品全体が安っぽいものになってしまった感は否めないだろう。しかし、ラストはかなり秀逸で、インビジブルに追い詰められ、外の世界へと追いやられたメンバーが、大量のゾンビに囲まれたところで青い星、つまり地球を目撃する。要するに、この物語は地球と良く似た惑星が舞台でした、ということで幕を閉じるワケだが、最後にカメラが引いていくと、その地球の至るところで大爆発(多分核戦争)が起きていて、地球も同じ運命を辿ることを示唆させている。何とも重くて絶望的な結末だが、よく考えたらジャケットに書いてある「地球で最後の男たち」という宣伝文は大嘘じゃねーかということになる。でもまぁ、ジャケットが詐欺なのはトランスフォーマーのお家芸なので別に良いっか。

 

 

ゾンビ以外のモンスターも出てくる。正直イラン

 

 

ゾンビに囲まれ絶望的な状況。この後、衝撃の結末が…

 

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