ザ・チャイルド
悪魔の起源

監督:ジョエル・ソワソン

脚本:ジョエル・ソワソン

出演:ティム・ロック、ケレン・コールマン、
ダスティー・パウエル、ビリー・ドラゴ

ストーリー

 炎天下のカリフォルニア砂漠地帯、ティムとアリーの夫婦が故障した車を路肩に停め、途方に暮れていた…。2人は決意を固め灼熱の中を歩き始めた、この先に家が有ることを信じて。大きな十字架をドアに掲げた廃墟と思えるような家を見付け、数回ノックをすると軋むような音を立てドアが開いた。中から出てきた男は、虚ろな目をしており、人を寄せ付けない対応で、ドアを閉め掛ける。アリーが妊娠している事を知り何とか家に上がる事が出来た。男は牧師と呼ばれ、妻と2人で住んでいる様子だった。「夜は必要以上に出歩くな、案内されていない場所には近づくな」と釘を刺される。しかし、アリーは夜中にトイレに行きたくなり屋外のトイレに向かった。トイレを出ると納屋の方から何か音が聞こえてくる。納屋に近づき隙間から覗き込むと子供が閉じ込められている。部屋に戻りティムに相談し子供を助け出し逃げ出そうと決めた。牧師に見つかり出歩いた事を咎められ部屋に戻された2人は、あらゆる手を講じるが全てが上手くいかない…。何やら異常な力に阻まれているようだ。この家は何かおかしい…。

レビュー

 原作の出涸らしで量産され続ける「チルドレン・オブ・ザ・コーン」シリーズ堂々の8作目。そろそろキングもマジギレして良いんじゃないかと思うほど原作から掛け離れていく本シリーズであるが、本作の始まりはシリーズ屈指の格好良さだ。ベトナム戦争帰りの青年がガトリン近郊の家に帰ると両親の惨殺死体が。拳銃を片手に家を慎重に捜索すると、犯人と思しき少女と対峙する。しかし、青年はその少女をベトナムで射殺してしまった子供と重ねてしまい、引き金を引くことが出来ない。思わず後退りする青年は階段を踏み外し、窓ガラスから外の庭に放り出される。茫然自失とする青年を取り囲むのは無表情の子供たち…。思わず「これだよ!これが見たかったんだよ!」と心の中でガッツポーズを取ったが、その後、何故か舞台は現代のカリフォルニア州の砂漠地帯へ。冒頭の事件とは全然関係の無いストーリーが展開されて、ガッツポーズで握った拳をそのまま地面に叩き付ける羽目になる。

 砂漠地帯で車がエンストし、立ち往生しているカップルが立ち寄った一軒家には不気味な夫婦が住んでいて…というストーリーは、これまでのシリーズに比べるとあまりのスケールの小ささにガックリくるし、そもそも舞台がガトリンじゃない時点で「チルドレン・オブ・ザ・コーン」とは大きく掛け離れた話だ。例えるならば味噌バターコーンラーメンを注文したのに冷やしたぬきうどんが出てきたような別物感。しかもマズイ。辛うじて関連性があると言ったら、夫婦の旦那がガトリン出身で、それが影響してか、納屋に監禁されている彼らの子供が何やら悪魔に取り憑かれているという点。子供の目的はヒロインのお腹に宿っている赤ん坊らしいのだが、この辺りの説明不足感が尋常じゃないので、何が何だかサッパリ分からない

 一軒家で起こる様々な超常現象に忍耐の限度を超えたカップルは、何とか脱出に成功して浮かれ気分で車を走らせるが、子供の超能力により車は理不尽な事故を起こして大破。男は死亡し、ヒロインは再び一軒家へと連れ戻され、納屋の中で頭がパッパラパーになったところで物語は終了。そこから先は描かれてないが、いずれヒロインは自らが産み落とした子供に惨殺され、この町がかつてのガトリンのようになることが示唆されている。本作の原題は「Children of the Corn: Genesis」。創世記や起源の意味を持つ「Genesis」という副題の通り、本作は第2のガトリンの誕生を描いたシリーズ仕切り直しの意味合いを持つ作品だったのだろうが、子供たちはおろかトウモロコシ畑すらも関係の無いストーリーにしたのは大問題である。冒頭のテンションを維持したままラストまで完走してくれたら、シリーズ最高傑作は間違いなしだったのだが…。

 

 

シリーズ屈指の格好良さを誇るオープニング

 

   

その後はトオモロコシ畑も子供たちも関係の無いストーリーに

 

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