VOICE/ヴォイス

監督:チェ・イックァン

脚本:チェ・イックァン

出演:キム・オクピン、ソ・ジヘ、
チャ・イェリョン、キム・ソヒョン

ストーリー

 放課後の音楽室で歌の練習に励む女子高生ヨンオン。奇妙な歌声を聞いた彼女は、突然飛んできた楽譜に喉を切り裂かれて死んでしまう。翌日、学校に来ないヨンオンを心配する親友のソンミンは、いないはずのヨンオンの悲痛な声を聞き怯える。だが、ヨンオンの声が自分だけに聞こえると知った彼女は、“ヨンオンの声”とともに、彼女の死の真相を探り始める。ソンミンは音楽教師ヒヨンに疑いを抱くが、ヒヨンはその夜、チェロの弦で吊るされた死体で発見される。さらにソンミンの前に、自分も“ヨンオンの声”が聞こえるという少女が現れ…

レビュー

 ややこしい事この上ないが、同じ韓国ホラーであるアン・ビョンギ監督の「ボイス」とは全く関連性は無い。こちらは「少女たちの遺言」 「狐怪談」に次ぐ「女校怪談」シリーズの4作目にあたる作品である。女子校を舞台に怪奇現象が捲き起こるこのシリーズは、我が国の「学校の怪談」シリーズとは似て非なるモノで、大人の観賞にも耐えうる佳作が揃っている。どの作品もホラー映画として全くくないのはどうかと思うが、観賞後じわじわと胸に来るキムチみたいな後味の話が多いのもこのシリーズの大きな特徴といえるだろう。

 この作品もホラー映画としては相当ヒネくれている。何せ、開始10分足らずでヒロインが死んでしまうのだから。その後、幽霊となったヒロインが、唯一自分の声を聞くことが出来る友人と協力し、自らの死の真相を探っていくのである。しかし、その途中に様々な怪奇現象が2人を襲ってさぁ大変という流れになるのだが、幽霊(ヒロイン)が怪奇現象を怖がっている時点でもはや喜劇にしか見えない。他にも、ヒロインが過去を思い出すシーンには幻想的な演出が用いられており、その非ホラーっぷりはシリーズ随一といえるかもしれない。

 散々引っ張ったヒロインの死の真相が、単なる痴情のもつれというオチにはかなりガックリくるものの、「霊は都合の良いことしか覚えていない」という登場人物の台詞の通り、ヒロインが性格破綻者であることが徐々に明るみに出る展開は実に面白かった。また「狐怪談」同様、最悪なバッドエンドとも最高のハッピーエンドともとれる複雑な余韻を残す結末も悪くない。このシリーズはホラー映画が苦手な人にこそオススメしたい。

 

いきなり冒頭で死ぬヒロイン。一体何があったのか?!

 

  

ファンタジーなシーンが多いのでホラーと呼ぶには厳しい

 

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