テキサス・チェーンソー
ビギニング

監督:ジョナサン・リーベスマン

脚本:シェルドン・ターナー

出演:ジョルダーナ・ブリュースター、テイラー・ハンドリー、
ディオラ・ベアード、マット・ボマー

ストーリー

 1939年8月、ひとりの赤ん坊が食肉処理工場で産み落とされる。彼の顔面には生まれながらの奇妙な歪みがあった…。そして、ベトナム戦争が激化しつつある1969年。エリックと18歳の弟ディーンは、ベトナムの戦場に行く前の最後の週末に、それぞれのガールフレンド、クリッシーとベイリーと一緒にテキサス横断の旅に出る。しかしその途中で、バイカーに追われて事故に遭い、自動車は故障、全員が怪我をしてしまう。そこに保安官がやってくるのだが、それは悪夢のような体験の始まりだった。

レビュー

 「テキサス・チェーンソー」の前日譚。オリジナル版の特徴であった根源的な恐怖を感じさせるドキュメンタリー風の演出を木端微塵に粉砕した挙句に、見ず知らずの赤ん坊を助けてスカッと爽快に終わってしまった前作は、私の中の無かった事にしたい映画ベスト5に堂々ランクインを果たしたこともあり、続編の本作に対する期待値もレザーフェイスのIQ以下だったのだが、いざ蓋を開けてみれば前作の生ヌルさを全て帳消しにするような超ド鬼畜映画に仕上がっていて、嬉しさのあまり思わず夕日に向かって電ノコを振り回したくなってしまった。やれば出来るんじゃねーかよ!

 巨漢デブ女の破水シーンという悪趣味極まりない冒頭から、衝撃のラストまで畳み掛けるような暴力映像の嵐!前作でレザーフェイス以上に印象的だった偽保安官のパワハラも更にパワーアップし、ベトナム戦争への徴兵をバックれようとしてた若造に対して地獄の腕立て伏せを強要したり、前作でも見せてくれたサランラップネタ、今度は生きてる人間の顔にグルグルと巻きつけるイカレっぷりを披露してくれたりと、相変らず観客に不謹慎な笑いを提供してくれる。他にも、前作で両足の無かったジジイの誕生秘話や、レザーフェイスのチェーンソーデビュー戦などの“ビギニング”の題名に偽りの無い小ネタを挟みつつも、鉄扉や晩餐、ヒロインの窓枠突き破りなど、オリジナル版の名シーンを復活させているのが実にニクイ。

 また、捕らえられた被害者達もただ順番に殺されていくだけではなく、時には反撃をして脱出を決行したり、通りすがりのバイカーが拳銃を持って食人一家の家に殴りこみをかけたりと、誰か1人ぐらいは生き残るかも…という淡い期待を抱かせてくれる。もっとも、本作は1作目の前日譚ということなので、食人一家の勝利はハナっから約束されている。つまり、主人公サイドが全滅するのは確定しているワケだが、それでもクライマックスの追いかけっこには思わず手に汗を握ってしまった。ラスト、ヒロインを惨殺したレザーフェイスが夜の道路をトボトボと歩いていくシーンが、仕事帰りの疲れたリーマンみたいに見えて妙な哀愁を感じてしまった。

 

 

前作より遥かに容赦の無い殺戮シーン。痛い痛い!

 

 

シリーズ恒例だった晩餐シーンも復活。これは嬉しい

 

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