少女たちの遺言

監督:キム・テヨン

脚本:ミン・ギュドン

出演:パク・イェジン、イ・ヨンジン、キム・ミンソン

ストーリー

 女子高生のミナは、校庭で一冊の赤い日記帳を見つける。それは陸上部のシウンと大人びた美少女ヒョシンとの交換日記だった。そこには2人の恋愛関係が克明に記されていたが、ある出来事をきっかけにシウンはヒョシンを避け始めていた。そしてミナが日記帳を拾ったその日、ヒョシンが学校の屋上から投身自殺してしまう。残されたシウンを気にかけながら日記を読み進めていたミナは、「メメント・モリ(死を記憶しろ)」という謎の言葉に突き当たる。その真意を探るうち、やがて学園は恐怖の渦へと巻き込まれてゆく…。

レビュー

 「女校怪談」シリーズの2作目にあたる作品。“怪談”と銘打っておきながら、本格的な怪奇現象が起こるのは物語も終盤に差し迫った頃。映画の9割は、女子校モノにはありがちともいえる女の子同士の擬似恋愛ドラマに終始している。現実と過去とが交錯するストーリー展開は多少の混乱を招くだろうが、キーパーソンとなる2人のカップルの心理描写を韓国映画らしくジックリネットリと描いているのには好感が持てる。無理にホラー映画に仕立て上げなくとも、この前半の部分だけでそこらの青春映画以上のクオリティを誇っているといっても過言ではないだろう。

 これが単なる青春映画ならば傑作となったのかもしれないが、残念ながら肝心のホラー映画としての要素があまりに御粗末で、取って付けたような安易な印象が拭えないのである。例えば、主人公の女の子は時々過去のフラッシュバック映像を見たり、自分の思考していることを相手に伝えたりしている。初見時は真剣に見ていなかったので気が付かなかったが、どうやらこの主人公は超能力者だったらしい。まったくもって必要のない設定である。生徒達が校内に閉じ込められて学園中が大パニックに陥る展開は、それまで“静”が中心だった演出が“動”へと移行する見事なクライマックスだったといえるが、学校の天窓に自殺した女子生徒の巨大な顔面を出現させるのはチョットやりすぎだったように思える。まるでコチュジャンの分量を大幅に間違えたビビンバの如く、極上の素材(ドラマ)を台無しにしてしまったかのような印象を覚えた。

 しかし、数々の怪奇現象は全て生徒や教師たちの罪悪感から生まれた集団催眠だった、という強引な解釈も出来ることから、やはりホラー映画ではなくちょっと変な青春映画として観賞するのが正しいのかもしれない。 

 

 

唐突に自殺を遂げた女子生徒。一体何があったのか!?

  

 

学園中がパニックに陥るクライマックスは必見

 

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