エコエコアザラク
EKOEKO AZARAK

監督:鈴木浩介

脚本:小林弘利

原作:古賀新一

出演:加藤夏希、大谷みつほ、
高野八誠、光石研、遠藤憲一

ストーリー

 人気の無い森で凄惨な猟奇殺人事件が起こる。死体は奇妙にねじくれ、内臓は凍っていた…。何が起こったのか?その現場に茫然自失となったひとりの少女が佇んでいた。彼女の名前は黒井ミサ。一体、森で何があったのか?鮮血の記憶とともに、強大な力が解き放たれようとしていた。

レビュー

 猟奇殺人事件の生存者である少女が、マスコミに“魔女”と仕立て上げられ、周囲の人間から疎外されていく姿を90分間延々と描いた作品。別に、タイトルが「エコエコアザラク」である必要も、少女が黒井ミサである必要も無い。これは推測に過ぎないが、作り手は醜悪なマスコミの犠牲になる哀れな少女を描きたかっただけなのではないか。しかし、今更そんな映画を観たいとは誰も思わない。だから仕方が無く、タイトルを「エコエコアザラク」にして主人公を黒井ミサにしたのではないだろうか。そう思われても仕方が無いくらい、この映画は「エコエコアザラク」とは何一つ関係が無い。

 これまでのシリーズには無い社会的なメッセージが含まれているのは評価出来るが、如何せん、話そのものが致命的につまらない。迫害され続けていた少女は最後に覚醒し、大切な友人を含む大勢の人間を皆殺しにしてしまう。思いっきり「キャリー」のラストに酷似しているが、この映画は肝心なラストの大虐殺を一切見せてくれないので、「キャリー」で得られたカタルシスは微塵も感じられない。黒井ミサが覚醒したと思ったらいきなりシーンが切り替わってしまい、TVで犠牲者を報道しているだけなのだ。これは予算が足りない云々では無く、恐らく確信犯。「大虐殺を見たいと感じた貴方も、劇中の醜いTVスタッフと同類なんですよ」という馬鹿みたいなメッセージが込められているのだろう。

 何だか愚痴ばかりになってしまったが、加藤夏希の黒井ミサは意外とハマっていたと思う。DVDを買った時に付いてきたトレーディングカードで、勇ましく短剣を構えている姿なんかはちょっとゾクゾクしましたよ。編にそんなシーンは無いんだけどさ。

 

 

3代目黒井ミサは加藤夏希。ミサというよりはキャリーだった

 

 

先生!ラストの意味が分かりません!

 

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