デイ・オブ・ザ・デッド

監督:スティーヴ・マイナー

脚本:ジェフリー・レディック

出演:ミーナ・スヴァーリ、ニック・キャノン、
ヴィング・レイムス  

ストーリー

 アメリカ・コロラド州。正体不明のウイルス性疾患が蔓延した町は、州兵部隊によって極秘裏に封鎖された。サラ・クロス伍長をリーダーとする調査チームは、病院内で爆発的に増殖したゾンビたちと遭遇する。次々と感染しゾンビと化す人間たち。サラたちは襲撃をかいくぐり、州外へと決死のサバイバルを試みる。そして廃墟と化した基地に辿り着いた一行が目にしたものは一体!?

レビュー

 ロメロゾンビ3作目「死霊のえじき」のリメイクだが、あまりにもオリジナルと別物過ぎるので、実は「ヘル・オブ・ザ・リビング・デッド」のリメイクでしたと言われても信じるだろうし、「バタリアン」シリーズの6作目ですと言われても普通に納得すると思う。というか、マジでこれのどこが「死霊のえじき」なのか。「ゾンビ」のリメイクである「ドーン・オブ・ザ・デッド」も、ショッピング・モールが舞台であることを除けば、完全に別物であったが、本作に至っては舞台設定からして全く違う。世界規模で蔓延しているはずのゾンビ化現象は、コロラド州の片隅にある小さな田舎町でのみしか流行していないので、オリジナルの魅力であった救いのない終末世界は微塵も描かれない。

 ゾンビ達は「ドーン・オブ・ザ・デッド」の影響をダイレクトに受けた猛ダッシュスタイルに加え、重力を無視して天井や壁をトカゲの様にペタペタ這う奴まで出てきたりする。これだけでも十分手に負えないのに、更にはマシンガンを乱射しながら疾走してくる連中までいるので、その節操の無さにはある意味感心する。ただ、監督をしているのが「13日の金曜日」の続編以降はマイナーな映画ばかり撮り続けているスティーヴ・マイナーの爺さんなので、PV畑で育ったザック・スナイダーほどスタイリッシュで洗練された映像が撮れる筈もなく、機敏なゾンビとは対照的にモッサリとした演出が目に付くのは痛い。爺さんが無理して流行に乗ろうとしている感じがして痛いのである。

 キャラクターの名前が一部オリジナル版と被っていたり、人間を襲わない草食系ゾンビが登場したり、ヒロインがUZIサブマシンガンを使用していたり、最後の舞台がミサイル基地で発射口から脱出したりするのは、オリジナル版を観た人に向けたファンサービスなのだろうが、もうちょっと違うところで頑張って欲しかった。特に、ローズ大尉の扱いが意味不明で、イヤミな上官でも無ければ特別頼りになるような奴でも無く、気付いたら呆気なくゾンビにやられている始末。ここで、オリジナル版のように上半身と下半身を真っ二つにされて「俺の内臓で窒息しやがれ!ショーコードノー!」と叫ばせていたらファンとしては無条件で拍手喝采なのだが、実に素っ気なくゾンビに食される。その後にゾンビとなって復活もするが、これまた凄い適当に射殺されて出番終了。せっかく「ドーン・オブ・ザ・デッド」のケネスを配役したのだがら、もう少しマトモな活躍の場を与えても良かったのではないかと思うのだが…。

 

 

「ドーン・オブ・ザ・デッド」のケネスがローズ大尉役で出演

 

 

草食系男子はゾンビ化しても大人しいんですね

 

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