エクソシスト3

監督:ウィリアム・ピーター・ブラッティ

脚本:ウィリアム・ピーター・ブラッティ

出演:ジョージ・C・スコット、ブラッド・ドゥーリフ、
エド・フランダース、ジェイソン・ミラー

ストーリー

 河畔に黒人少年の首なし死体が発見された。その右手に彫られた双子座を見た途端、キンダーマン刑事は15年前に起きた同じ手口の連続殺人を思い出す。不吉な予感を裏付けるように第2の事件が起こる。教会の懺悔室で神父が殺害されたのだ。そしてキンダーマンの親友ダイアー神父も検査のため入院した病院の病室で血を全て抜き取られた死体で発見される。手掛かりを掴めないまま病院内を調べるキンダーマンは精神科の責任者、テンプル医師の口から意外な事実を聞かされる。患者の中に15年前に起きた殺人事件の犯人だと名乗り出した男がいると言う。問い詰めるキンダーマンに対し、その男は自らを誰でもない、大勢の人間“レギオン”だと言う。それは新約聖書の中にある悪魔にとりつかれた人間がイエスに対して答える言葉だった。そして、その“レギオン”の中には、15年前に自らの生命を賭けて少女リーガンから悪霊を追い払ったカラス神父もいた…。

レビュー

 「エクソシスト2」のあまりにトンチキな出来に失望した原作者が、「俺が本当のエクソシスト“2”を見せてやる」と自らメガホンを取ったことでも話題となった作品。1作目で脇役だったキンダーマン刑事を主人公に据えており、同じく脇役だったダイアー神父との漫才のようなやり取りを中心に進む序盤は、1作目のディレクターズカット版のラストシーンとの繋がりを感じさせてくれる。しかし、そんなほのぼのとした展開は早々に打ち切られ、ダイアー神父が生きたまま全身の血を抜き取られて死亡するという衝撃的な事件が起こる。

 直接的な残酷描写は皆無に等しいが、劇中で起こった事件は本当におぞましいものばかり。前述したダイアー神父の最期も悲惨極まりないが、生きたまま首を切断され、ピエロのメイクを施したキリスト像の首と挿げ替えられた黒人少年など、登場人物の口から淡々と語られる事件はどれも凄惨を極め、ダークな気分にさせてくれる。一連の事件と15年前の双子座殺人事件との関連性を見出したキンダーマンは、15年前の犯人を自称するケビンという男に会うが、なんと彼は1作目で命を落とした筈のカラス神父だった。悪魔祓いを成功させたカラス神父を憎む悪魔は、カラスに殺人犯の魂を憑依させ、猟奇殺人を繰り返すことで彼に復讐をしていたのである。1作目とは全然関係の無い物語と思わせといて、結局は例のリーガン事件に繋がる所が実に巧妙で、やはり続編はこうあるべきだということを教えてくれる。

 ただ、小説家が監督をしている所為なのか、事件の真相を悪魔が1から10まで親切丁寧に説明してくれるのは違和感があり、少しは観客の想像に任せる余地を残しても良かったのではないかと思ってしまう。この辺りは、「エクソシスト2」全てが説明不足だった作りと対極になっていてある意味面白い。また、気が遠くなるほどの長回しの末、物凄いタイミングでハサミを持った殺人鬼に襲われる看護婦や、突拍子もなく天井を這い回るババァなど、ブラッティが映画撮影に不慣れであるが故に生まれたであろう、予測不能な恐怖シーンがあるのも印象深い。 

 

 

予測不能シーンその1:いきなり襲われる看護婦

 

  

予測不能シーンその2:天井を這うババァ

 

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