ダーク・ウォーター

監督:ウォルター・サレス

脚本:ラファエル・イグレシアス

原作:鈴木光司

出演:ジェニファー・コネリー、アリエル・ゲイド、
ジョン・C・ライリー、ティム・ロス、ピート・ポスルスウェイト

ストーリー

 雨に煙るニューヨークの外れにあるルーズベルト島。離婚調整中のダリアは6歳の娘セシリアを連れて古びたアパートに引っ越してきた。娘との新たな生活を何としても守りたいと願うダリアだが、次々と不気味な現象にみまわれていく。寝室の天井で日毎に大きくなる黒い染み、誰もいないはずの上階から聞こえてくる物音、そして見えない“友達”と話し始めるセシリア。何か怪しく、謎めいた管理人と不動産業者はまったく頼りにならず、ダリアは次第に精神的にも追い詰められていくが、これは更なる恐怖の“入り口”にすぎなかった…

レビュー

 鈴木光司の「仄暗い水の底から」の一編「浮遊する水」は40ページ程の地味な怪談話だったのだが、それを2時間枠に拡大して映像化したものが中田秀夫のジャパニーズホラー「仄暗い水の底から」であり、更にそれをハリウッドでリメイクしたものが本作「ダーク・ウォーター」である。

 ストーリーは日本版をほぼ忠実になぞり、マンションの一室で水に関する怪奇現象が相次ぎ、娘は見えない友達と話すようになる。主人公の女性はジワジワと精神的に追い詰められていくが、全てが屋上で行方不明になった少女が原因であると付きとめ、貯水槽に浮かぶ少女の死体を発見し一件落着かと思いきや……というもの。

 同じハリウッドリメイクの「THE RING」や「THE JUON」のようにショッカー演出に磨きがかかっているワケでも無く、どちらかと云えば登場人物の心理描写に重点が置かれているようで、ホラー映画として観賞するのは正直厳しいだろう。何せ驚くようなシーンが無いのだから。むしろ、急に貯水槽の壁がボコッとへこんだり、エレベーターから大量の汚水が雪崩れ込んできた日本版の方が、いわゆるハリウッド的ショッカー演出が多かったように思える。母親の自己犠牲で娘が助かる結末は日本版と同様だが、エピローグは大きく異なる。いきなり10年後に飛んで母親のどうでもいい言い訳を長々と聞かされた日本版と違い、こちらは事件3週間後に母親の霊と再会を果たし「いつも見守っている」と母親が娘を優しく抱きしめる感動的な余韻を残すものになっている。ここまでくるともはやホラー映画でもなんでもない、日本版の湿っぽいエピローグよりはずっと良い。

 ホラー映画を観るのではなく、親子愛のドラマを2時間タップリ堪能するつもりで観賞するのがオススメである。あと、ジェニファー・コネリーファンの人にもオススメ。「フェノミナ」以来、およそ20年振りに汚物まみれになるジェニファーが見れます。

 

 

「蛆虫プール」の記憶を呼び覚ませ!ジェニファー!

 

 

陰鬱気味だった日本版とは違い感動的な結末です

 

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