バージン・ゾンビ

監督:ジェス・フランコ

脚本:ポール・ダレ、ジェス・フランコ

出演:クリスティーナ・フォン・ブラウン、ブラッド・ニコルズ、
ハワード・ヴァーノン、ポール・ミューラー

ストーリー

 謎の死を遂げた父。そのトラウマに悩むクリスチーナが訪れた古城には奇怪な人々が待ち受けていた。彼らと生活をしていくうちに、クリスチーナは妙な夢を見るようになる。ある時は地面から現れたゾンビに追い掛け回され(ローラン版)、またある時は女王となった自分が無数の男に犯される(フランコ版)。

 やがて、父の亡霊を目撃したクリスチーナは、彼の口から衝撃の真実を知る。古城に住む人達は既に死んでいて、彼らはクリスチーナを亡者の世界へ誘い込もうとしていたのだ。しかし、真実を知るにはあまりに遅すぎた。クリスチーナは住人達に捕まり、怪しげな儀式の生贄となってしまった。やがて、夢とも現実とも付かぬ世界に迷い込んでしまい、彼女は湖の中へと沈んでいくのだった(フランコ版)。と思いきや、全てはクリスチーナの見た悪夢だった(ローラン版)。

レビュー

 今まで観たゾンビ映画の中で、最もシュールで難解な作品。大好きなのか大嫌いなのか自分でもよく分かっていないのだが、作品全体に流れる屑映画特有の気だるいムードは間違いなくクセになる。一応、ストーリーらしきものはあるものの、物語の途中に「ハッ…夢か!」なシーンが軽く5回はあるので、それこそ終盤になると、主人公が体験している恐怖は現実なのか虚構なのか、それとも自分がグッスリ眠っていて悪夢を見ているのか、まるで分からなくなってしまうのだ。恐らく、それこそがフランコの狙いだったのだ。とりあえずそう信じたい。本作のストーリーを1から10まで完全に把握出来た人間がいるとしたら、その人は天才かキチガイのどっちかである。

 ちなみに本作は元々ジェス・フランコの撮ったソフトコアポルノ映画だったのだが、「ゾンビ」の大ヒットをモロに受けた配給会社が、ジャン・ローランにゾンビ襲撃シーンを撮らせて無理矢理追加したものを再公開している。その為、現在ではフランコ版とローラン版の2種類が存在しているのだが、いずれにしてもストーリが理解不能なのは変わらないので、どちらか1本を観れば十分だろう。シュールすぎて全く興奮出来ないエロシーンを見たい人はフランコ版、チープなゾンビがチンタラ襲ってくるのを何回も何回も拝みたい人はローラン版を鑑賞することをオススメする。

 

凡人には理解不能なエロシーン満載のフランコ版と…

 

チープなゾンビ襲撃シーンの続くローラン版。さぁ、どっちを観る!?

 

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