メシア・オブ・ザ・デッド

 

監督:ウィラード・ハイク、グロリア・カッツ

脚本:グロリア・カッツ

出演:マイケル・グリア、マリアンナ・ヒル、ロイヤル・ダーノ

ストーリー

 音信の途絶えた父を追い、オーレッティは父のアトリエがある海辺の町を訪れた。しかし、アトリエには父の姿は無く、意味不明な文章が綴られた日記が残されているだけであった。父の絵を欲しがっているという旅行者の話を聞いたオーレッティは、モーテルに泊まるトムという男を尋ねる。トムはこの町に伝わる奇妙な伝説、死者が蘇り、人を襲う話に興味を持っていた。やがて、アトリエにトムと恋人のローラ、トニが押しかけてきた。4人は共同生活を始めるが、露骨にオーレッテイへの想いを募らせるトムの姿に嫉妬したローラは、耐え切れずに町へと飛び出す。だが、町はいつの間にかゾンビで溢れ返っていた。スーパーマーケットはゾンビの巣窟となっており、ローラは散々逃げ回った挙句、無惨にも食い殺されてしまう。同じように、ローラへの嫉妬を感じてアトリエを飛び出したトニもまた、映画館に現れたゾンビの集団に食い殺されてしまった。そして、ゾンビの脅威はアトリエにいるオーレッティとトムの元にも迫っていた… 

レビュー

 とにかく不気味な作品。寝る前に観て本気で後悔したゾンビ映画は、後にも先にも本作だけである。どうして町にゾンビが溢れ返っているのか?物語の根底とも言える重要な部分の説明を省き、ひたすら不条理で不愉快なシーンが垂れ流される。ゾンビが内臓を引き摺りだすような陳腐なゴアシーン等は一切無く、どこか日本の怪談話を彷彿とさせるような、背筋にゾゾッと来る恐怖を感じさせるものが多いのもゾンビ映画にしては珍しいだろう。

 この映画を語る上で外せないシーンが幾つかあるが、その1つが肉売り場に群がるゾンビのシーンである。ガツガツと生肉を貪るゾンビ集団が、スーパーマーケットに逃げ込んできた女性を視認すると、一斉に食うのをやめて無言でダッシュしてくる。これは本気で怖い!伊東美和著「ゾンビ映画大事典」によると、実は「ゾンビ」よりも先に“スーパーに集まるゾンビの集団”を描いていたとのこと。

  もう1つ印象的なのが、映画館でゾンビに襲われる一連のシークエンスだ。無人の映画館で少女が映画鑑賞をしていると、一人、また一人と観客が遅れて入場してくる。何かオカシイなぁ〜と振り向いてみたら、席がゾンビで埋め尽くされていた。その後、やはりゾンビ達は無言で立ち上がり、少女を追っかけ回して惨殺するのだ。スクリーンからゾンビが飛び出して襲ってくるバカ映画とはエライ違いである。

 他にも、ネズミを生きたまま齧る男が登場したり、山積みの死体を運ぶトラックが出てきたり、ヒロインの口から突然ゴキブリが出てきたりと、意味なんて無いのだろうが、やたらと記憶に残る厭なシーンが満載。滅多にお目にかかれないガチで怖いゾンビ映画である。

 

スーパーの肉売り場に群がるゾンビ達。逃げて〜

 

気付いたら観客全員がゾンビでした。逃げて逃げて〜

 

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