フォレスト・オブ・ザ・デッド

監督:カール・ベッセ

脚本:カール・ベッセ、トラビス・マクドナルド

出演:ポール・キャンベル、サラ・リンド、ジュリアン・クリストファー、JR・ボーン

ストーリー

 カナダの森の奥深くで大量の森林伐採を行い、環境保護団体から抗議を受けている多国籍企業の林業会社。バイオ技術を用いて、更に伐採量を増やそうと遺伝子組み替え実験を行なうが、実験は失敗。その影響で木材伐採の労働者や環境保護団体の人々が次々とゾンビ化していく。僅かに生き残った人々のサバイバルが始まるが…。

レビュー

 とりあえずジャケットが凄い。森林をうろつくゾンビ集団の右上に「木、切るな!」の殴り書き。失笑しながら裏面を見たら“ゾン流”ブームの決定版!戦慄の新世紀エコロジー・ホラー!の煽り文句が。えーと…意味は分からないけど、つまり地球に優しいゾンビ映画ってこと?ゾンビ映画の分際で環境破壊に警鐘を鳴らすとはロメロ御大もビックリ、フルチ翁もポックリである(既に死んでるが)。

 そんな悪ノリしまくったジャケットとは裏腹に、内容は至って真面目な正統派のゾンビ映画である。邦題に偽りも無く、舞台となるのは基本的に森林のみ。開始20分足らずで、森の中からゾンビがわんさと登場してくれるので、少なくとも「レイク・オブ・ザ・デッド」よりかはゾンビ映画ファンの心を満たしてくれるだろう。

 また、ストーリーもロメロ風にヒネくれていて、前半こそ生存者とゾンビの決死の攻防戦をメインに描いているものの、別グループと合流した後半になると、今度は人間の醜さを前面に押し出した演出が多くなり、最終的には人間同士が対立する展開へと雪崩れ込むのだ。そもそも、本作はゾンビ発生の原因からして既にヒネくれまくっている。ストーリー欄に記述した通り、ゾンビ化の原因となっているのは、遺伝子組み換え実験で成長した樹木の樹液なのだが、実はコレ、体内に入らない限りは無害なのだ。直接的な原因となったのは、環境保護団体のバカ女が樹木に仕込んだであり、それのおかげで伐採作業中の労働者のチェーンソーが跳ね返り、自らの体を刻んでしまった為、樹液が体内に入り込んでしまったのだ。悪いのは研究者と環境保護団体であり、木々を伐採していた労働者達は何ひとつ悪くない。なんとも酷い話だ。後半の展開も含め、動物愛護団体の余計な行動でロンドンが壊滅した「28日後…」と非常によく似たプロットを持つ作品である。

 

環境保護団体のバカな活動のせいで… 

 

 

善良な労働者がゾンビになるという皮肉

 

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