CUBE

監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ

脚本:アンドレ・ビジェリック

出演:ディーン・ウィント、ニコール・デボアー、ディッド・ヒューレット、ニッキー・ガーダグニー、アンドリュー・ミラー

ストーリー

 ある日突然理由もなく、男女6人が鋼鉄の立方体の部屋に閉じ込められる。そこは他にもたくさんの同じ部屋があり、その集合体で作られた巨大な立方体(CUBE)だった。各部屋に6つあるハッチの中からひとつを選び隣室へ移動しながら出口を探す以外、脱出方法はない。しかも、部屋には様々な殺人トラップが仕掛けられている。そんな極限状態の下、絶望的なサバイバルを繰り広げる6人。やがて、一つ一つ謎と罠をクリアしてゆくうちに、彼らの精神状態が徐々に狂い始めてゆく……果たして無事にこのCUBEから脱出できるのか?あるいは本当に出口はあるのか?今ギリギリの状況の中、死のゲームがセットされた……

レビュー

 これは完全にアイデアの勝利。目覚めたら立方体の中、見知らぬ男女、悪意に満ち満ちた残酷な罠。息苦しさを感じさせる閉塞感が全編を支配し、観客の不安感を増大させて恐怖のドン底へと突き落とす。終始付きまとうこの物語の最大の疑問、「誰が、何の為に?」その答えは最後まで明かされることはなく、登場人物は次々と不条理極まりない死を遂げる。ここで重要なのが、この立方体の1から10まで全てが謎のベールに包まれているわけでは無いという点。例えば、一見デタラメに思える部屋の繋がりにも意図的に法則性が用意されているし、登場人物の1人はなんと外壁を設計したと言っている。つまり完全に宇宙的でファンタジーな存在ではなく、人間の手によって作られた建造物であり、何らかの意図があってリアルに実在しているものなのだ。この事実にはかなりゾッとさせられる。ノーヒントで進行するよりも100倍怖い。登場人物が立てた「忘れ去られた公共事業」という妙にリアリティのある仮説があったが、個人的にはこの説が一番シックリくると思う。

 そして何よりこの映画で一番恐ろしいのは、主要人物の中で、で死んだ人間は1人しかいないという点に尽きるだろう。強酸トラップで顔面崩壊の壮絶死を遂げた脱獄のプロを除けば、あとは勝手に殺し合って自滅しただけなのだ。ラスト、出口を目の前にして殺し合いをする彼らを見ていると、人間の業を感じずにはいられない。

 

 

   トラップによりサイコロステーキと化す名無しさん        脱獄のプロもこの有様。超絶望的

 

 

  トラップ以上に残酷な存在、それが人間なのです       光に包まれるラストシーン。もう全てが完璧!

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送