バトル・ロワイアルU
鎮魂歌【レクイエム】

監督:深作欣二、深作健太

脚本:深作健太、本田紀夫

原作:高見広春

出演:藤原竜也、前田愛、前田亜季、忍成修吾、
酒井彩名、加藤夏希、竹内力、ビートたけし

ストーリー

 無作為に選ばれた中学3年の1クラスを最後まで殺し合わせる新世紀教育改革法・通称“BR法”。その極限状況を生き延びた七原秋也は数年後、反BR法のテロ集団“ワイルド・セブン”を組織し首都を爆破、すべての大人たちに宣戦布告する。一方大人たちは新しいゲーム、新世紀テロ対策特別法・通称“BRII”を開始し、孤島に立てこもる七原たちに対抗した。選ばれたのは札付きの不良ばかりが集まる1クラス。だが、生徒たちに課せられたルールとは、1.七原を殺せば勝ち、2.制限時間は3日間、3.ペアを組み一方が殺されればもう1人も爆死する、という前法をはるかに凌ぐ非情なものだった…。

レビュー

 前作の生徒同士の戦いから一転、生徒とテロリストの戦いをメインに据え、やがては子供と大人の戦争にまで発展するという色んな意味でやっちゃった感のある作品。賛否両論はあるだろうが、この路線変更は極めて正しい選択だったと思う。前作と似たりよったりの殺し合いを見せられてもウンザリするだろうし、ストーリーの展開も大方読めてしまうだろう。だから、本作の導入部を見てもそれほど違和感は感じることは無かったのだが、如何せん話そのものに説得力が無さすぎるのは致命的。さっさと爆撃で殺せばいい極悪テロリストの潜伏する島に、何で素人の中学生を送り込む必要があるのか。それも、わざわざタッグマッチという不利なルールで。実は小説版にその衝撃の真相が書かれているのだが、それを映画の中で描かないのはどういう意図なのだろうか。

 それ以外にも、この映画には理解できない箇所があまりに多すぎる。10人以上の生徒をゲーム開始3分で瞬殺するのも凄いが、テロリストと合流した後半になると「?」のオンパレードになる。無傷だった筈の女子生徒がいきなり包帯を巻いて登場したり、糖尿病の女子生徒がインシュリンの伏線を無視して瓦礫の下敷きになって死んだりする。笑えるのが、ロクな台詞すらなかった男子生徒が別れ際、女テロリストに「オレ、姉ちゃんのこと忘れないから」と唐突に語り掛けるシーン。実は、設定ではこの2人は姉弟ということなのだが、そんなことは劇中で一切語られていないので、何が姉ちゃんでコイツが誰なのかサッパリ分からない。話がまるで繋がっていない。これが全国公開したというのだから驚きだ。

 クライマックスの大規模な銃撃戦もネタの宝庫だ。名も知らぬ生徒やテロリストが、死ぬ度にわざわざ「良い友達が出来て良かったぁ」とか「戦いはまだ始まったばっかだよなぁ」などの全身を掻き毟りたくなるようなクサイ台詞を吐いて死んでいくのは寒々しいし、その間だけ銃撃がパタリと止むのは誰がどう見たってオカシイ。竹内力がユニフォーム姿で登場するのも意味が分からないし、大ジャンプでトライかまして大爆発するのも意味が分からない。何故、最後にこんなバカなシーンを持ってきたのか理解に苦しむ。

 多少の演技力の乏しさや、演出の稚拙さを吹き飛ばす程の勢いが感じられた前作と違い、どうも本作はその勢いが感じられない。物語全体が暗すぎるのもあるだろうが、一番の原因は深作欣二監督が撮影途中に亡くなられたからであろう。終盤の大規模な銃撃戦にしても、欣二監督ならそれこそ前作の灯台の銃撃シーンのように、泥臭く仕上げていたと思うと非常に残念でならない。謹んでご冥福をお祈りするばかりだ。

 

  

    よく分からん理由で自らゲームに志願したキタノ       無念、あじゃはゲーム前に敢えなく死亡         

 

 

  ゲーム開始3分でコレ。いくらなんでも死にすぎ          竹内兄貴+ラグビー+爆発=バカ

 

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