宇宙戦争

監督:スティーブン・スピルバーグ

脚本:ジョシュ・フリードマン、デヴィッド・コープ

原作:H・G・ウェルズ

出演:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、
ティム・ロビンス、ミランダ・オットー、
ジャスティン・チャットウィン

ストーリー

 アメリカ東部の町。ある日、立ちこめる暗雲から稲妻がほとばしり、落雷地点から3本足のロボット−通称トライポッドが現れた。どうやら操縦をしているのは宇宙人らしい。トライポッドは人間を瞬時に蒸発させる光線を撒き散らし、手当たり次第に抹殺を開始した。人類側の攻撃は全てATフィールドで遮られ、まるで効果が無い。

 混乱の中、女房に逃げられたダメ親父のレイは、別れた妻から預かった息子のロビーと娘のレイチェルを連れ、逃亡を開始する。しかし、各地で出現するトライポッドの執拗な攻撃により、どこもかしこも壊滅寸前。人類側は大阪を除いて劣勢状態に立たされていた。息子のロビーは果敢にもトライポッドに立ち向かうが、爆炎に包まれそのまま行方不明になってしまう。もはや逃げ場の無いレイとレイチェルを救ったのは、オグルビーという名の男。しばらくは彼のアジトに匿ってもらうが、何故かやたらに戦意を煽ってくる上、10歳の娘に手を出そうとするロリコン野郎だったので撲殺する

 そうしてる内に、トライポッドはついにアジトへ侵入。レイとレイチェルは捕らえられてしまうが、自衛隊のジープから入手した手榴弾を起爆させ脱出に成功する。数時間後、宇宙人は地球環境に馴染めず勝手に死んだ。  あ、それとロビーも無傷で生きてましたとさ

レビュー

 H.G.ウェルズ原作の「宇宙戦争」、2度目の映画化なのだが、この原作はSF界の聖書ですかってくらい有名な作品なので、1953年に公開された旧作の他にも、ドイツきってのバカ エメリッヒが現代風に解釈して再構成した「インデペンデンス・デイ」や、ハリウッドきっての変態 バートンがブラックすぎて笑えないコメディ劇に転化させた「マーズ・アタック」など、実はこれまでに何度も(勝手に)映像化されている。

 というわけで、非常に今更感漂う代物だったのだが、そこはお金持ちのスピルバーグ大先生。これまで誰もマトモに表現出来なかった、“巨大な物に完膚なきまでに蹂躙される人間達の図”を、莫大な予算と持ち前の怪獣魂で大真面目に映像化してしまったのだ。特に、序盤の虐殺ショーの迫力は圧巻の一言。突然現れたトライポッドが、一斉に逃げ惑う群集に向けて殺人ビームを発射、直撃した人間は瞬時に灰となる為、さっきまで隣で逃げていた筈の人間がいきなりパサッと消失するのだ。多くの人命が秒単位で失われる地獄絵図の中、トム・クルーズは情けない顔でひたすら猛ダッシュで逃げるしかない。このシーンは怖すぎて思わず笑ってしまった。

 それと中盤、逃亡を続ける人々を乗せたフェリーを、トライポッドが襲撃して転覆させるシーンがあるのだが、その後なんと、トライポッドは海面に放り出された人間を次々と一本釣りして捕らえていくのだ。途方もなく巨大な物体が、自分の何十分の一にも満たない一個人に対して敵意を剥き出しにしているのである。これは人間側からすると想像を絶する恐怖だ。意外にも、こういった描写を含んだ怪獣映画は少ないので、本作を観た時は正に狂喜乱舞であった。

 賛否両論の要因にもなっているラストの脱力オチだが、私はアレで良いと思う。所詮、人間は地球に生かされているだけの存在に過ぎないという、皮肉も効いていて面白い。もし、あそこでトム・クルーズがF−14に乗り込んで特攻を仕掛けるデンジャーゾーンなラストだったら、驚くほど安っぽい映画で終わっていたと思う。

 

 

  こんな顔のトムを観れるのは「宇宙戦争」だけ!

 

地球環境に馴染めずに勝手に死ぬ宇宙人

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送