樹海村

監督:清水崇

脚本:保坂大輔、清水崇

出演:山田杏奈、山口まゆ、神尾楓珠、
倉悠貴、工藤遥、大谷凛香、山下リオ

ストーリー

 「お姉ちゃん知ってる?この箱が置かれた家はね、みんな死んで家系が絶えるの…」人々を戦慄させる禍々しい古くから伝わる強力な呪いを、歪な木々や地を這う根が生える、不気味で壮大な樹海の奥深くに封印した。---13年後。姉妹の響と鳴の前に、あれが出現。そして、樹海で行方不明者が続出する。自ら向かったのか?それとも魔の力に吸い寄せられているのか?恐怖が、いま再び解き放たれる…。

レビュー

 清水崇監督による「恐怖の村シリーズ」の第2弾であり、今回は富士の樹海に存在していると噂されている樹海村にスポットを当てた作品となっている。しかしながら、前作「犬鳴村」が心霊スポット探索ホラーの皮を被った獣人系ホラーだったのと同様に、本作においても恐怖の対象となるのは登場人物らが軒下で発見した呪いの箱であり、言ってしまえば樹海村はあまりストーリーに関係がない。別に樹海村じゃなくても、杉沢村だろうが雛見沢村だろうが変態村だろうが、ヤバい村人がヤバい儀式でヤバい箱を作っているヤバい村をでっち上げてしまえば成立してしまう話なのである。

 そもそもこのヤバい箱のアイデア自体が一昔前に2ちゃんねるのオカルト板で誰かがでっち上げた「コトリバコ」の話をアレンジしたものであり、ネタそのものが既に古臭い感じもする。もしかして清水崇監督は最近インターネットを覚えたのでは?と思わずにはいられないが、インターネットネタで言えばもうひとつ。劇中のボイスチャット中に起こる怪異が当サイトでも取り上げた「死画像」の「クニコ」の完全なるコピーであり、何故突然クニコ?と疑問に思っていたが、もしかしたら数年前にツイッターで樹海なるアカウントがツイートして盛大にバズった(けどその後すぐに垢BANされた)「クニコ」の切り抜き動画に影響を受けてしまったのかもしれない。と、ここまで書いていて気が付いてしまった。もしかして「樹海村」の「樹海」って…いや、まさか…そんな筈は…。

 全体的に説明不足な上に時間軸すらも不親切。幽霊というよりは完全にゾンビな連中が歩き回り、呪いの因果はどこまでも続いていく後味の悪い結末。良くも悪くも清水崇の平常運転で繰り広げられる物語はファンにとっては微笑ましいものの、そろそろ本格的な心霊スポット探索をメインとした正統派心霊ホラーを見てみたいというのが本音である。前作「犬鳴村」の登場人物もチョイ役で登場させているところを見ると、清水崇監督の脳内には壮大な「村ユニバース」の全体図が出来上がっているのかもしれないが、今のところ怖かったのは前作でオシッコを垂れ流した末に投身自殺をしたYouTuberのアッキーナがしれっと復活していることぐらいである。

 

タイトルは「コトリバコ」でも良かった気が…。

 

言い逃れ出来ないレベルで「クニコ」のパクリ

 

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