予言

監督:鶴田法男

脚本:高木登、鶴田法男

原作:つのだじろう

出演:三上博史、酒井法子、堀木真希、
小野真弓、山本圭、吉行和子

ストーリー

 里見英樹は、妻・綾香と娘・奈々を連れて、車で帰省中だった。途中、急ぎの仕事で電話BOXに立ち寄った里見は、そこで奇妙に古びた新聞を見つける。目に留まった記事は「帰省中の乗用車にトラック追っこむ 女児犠牲に里見奈々ちゃん(4)死亡」事故の日付は今日、今から数分後….。里見の異変に気付いた綾香は、車内に奈々を残して電話BOXへと向かう。その瞬間!不吉な予感がして振り返った里見は、恐るべき光景を目にした。娘にいる車に、大型トラックが追突してきたのだ。新聞に書いてあるとおりの事故が、目の前で現実に起こった…。

 事故から3年、
里見のもとに、再び新聞が届いた。新たなる予言、死の未来は変えられないのか?

レビュー

 つのだじろうによる怪奇漫画「恐怖新聞」を原作とした作品で、Jホラーシアターの第1弾が「感染」と本作による2本立てだったことも記憶に新しい作品。キャストも三上博史、堀北真希、まだそんなにラリってない頃の酒井法子と大変豪華な顔ぶれとなっており、矢継ぎ早に気色の悪いシーンが飛び出してくるジェットコースタームービーであった「感染」と比較すれば割と静かな話運びではあるものの、幼い娘を事故で亡くした夫婦を主軸に進行するウェットな人間ドラマをメインとした物語は、Jホラー特有の息の詰まるような重苦しさを終始感じさせていて悪くはない。
 
 原作からの要素といえば、未来を予言する新聞がアカシックレコードのような扱いで登場するのみで、読んだら寿命が100日縮むという設定は描かれないものの、過去に新聞を受け取った人間は後に行方不明になっていたり、13歳の少年が半年でジジイになって自分の血液やウンコで新聞記事を書くガイキチになってしまったり、新聞の予言に逆らって運命を無理矢理変えたら徐々に全身が真っ黒になって壁のシミになってしまったりと、原作とは別の形で恐怖新聞のヤバさが描かれている。

 脱線事故で犠牲になる筈だった自分の妻の死を回避した主人公が無間地獄に突き落とされ、何をどうしても愛娘が事故死してしまう時間軸を何度も何度も繰り返すクライマックスは、子を持つ親としては最悪すぎるシチュエーションながらも、ある種「ファイナル・デスティネーション」にも通じるブラックな笑いすら感じられ、自己犠牲の末に訪れるラストのカタルシスには清々しい感動を与えてくれる。つのだじろうの原作からは少々かけ離れた内容であるが、「恐怖新聞」の番外編としては秀逸な作品であるといえよう。

幼い子供がいる人にはショッキングすぎる冒頭

 

玄関に死んだ娘が…。恐怖新聞は主人公の精神を追い詰める

 

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