ペット・セメタリー

監督:ケヴィン・コルシュ、デニス・ウィドマイヤー

脚本:ジェフ・ブーラー

出演:ジェイソン・クラーク、エイミー・サイメッツ、
ジョン・リスゴー、ジェテ・ローレンス

ストーリー

 家族と田舎に引っ越した医師ルイス。新居の裏には謎めいた動物の墓地“ペット・セメタリー”があった。ある日、飼い猫が事故にあうと、墓地を越えた奥深くの森で猫を埋葬する。しかし次の日、凶暴に豹変した猫が姿を現わした。その地は、先住民が語り継ぐ秘密の森だったのだ。そして迎えた娘エリーの誕生日、彼女は交通事故で帰らぬ人に…。果たしてルイスの取った行動とはー。

レビュー

 1989年公開の同名作のリメイクであるが、正直なところ全く期待はしていなかった。「ペット・セメタリー」といえば「浦島太郎」と同じくらい型が決まってるお話であり、猫が死ぬ→甦らせる→何か手に負えないので殺す→子供が死ぬ→甦らせる→何か手に負えないので殺す→ずるいよパパ…といったケツまでのストーリーは遺伝子レベルに刷り込まれているので、いくら最新技術を駆使しようが、舞台を現代に移そうが、結局は同じものを見せられるので完全に無駄な努力なのである。キング原作で同じく型がキッチリ決まってる「キャリー」ならラストの大殺戮パーティーをド派手にする余地は残されているが、「ペット・セメタリー」だけはマジでどうにもならない。精々、可愛らしい猫ゾンビがCGでアクティブに猫まっしぐらになる程度のアレンジだろうと高を括っていたが、そんなこちらの予想を遥かに凌ぐアレンジをぶっ来んできたのが本作である。

 確かに、猫ゾンビまでの流れは途中で席を外してウンコしに行っても良いレベルで同じであるが、何と主人公は手に負えなくなった猫ゾンビを殺そうとするものの、良心の呵責で自然へと帰すのである。だから何!?と思うかもしれないが、実はこれが型通りだった展開を左右する大きな分岐点となってしまい、さながらバタフライ効果の如くその後のストーリーが大きく変化していくのである。この際なので派手にネタバレするが、今回トラックに撥ねられるのは長女のエリーちゃんで、飛んでいった凧をヨチヨチ追い掛けて行ったゲイジ君は無事です。良かったね!いやいや、全然良くねーから!

 ナイフを持って殺る気満々でも可愛らしい印象を抱かせた2歳児のゲイジ君と違い、とっくに日曜日のプリキュア鑑賞も卒業したであろう年齢のエリーちゃんは、こう言っちゃあなんだが本当にタチが悪い。変に知恵が付いているだけに、周囲の人間を巧みに翻弄して大暴れする様は俺が主人公でなくても頭を抱えたくなる程のクソガキっぷり。隣人の爺さんだけでなく、全く状況を把握出来ていないマミーすらも華麗にオーバーキルしていく怒涛の展開に「これ、最後どうなんのよ?」という疑問すら湧いてくるが、結局どうにもならずに「ミスト」に匹敵する悪趣味な結末を向かえて映画は終わる。よくこんなエンディング思い付くな!このヒトデナシ!!ちなみにクレジットで流れる歌はオリジナル版でラモーンズが歌った楽曲のカバーである。ラジー賞の最低主題歌賞にもノミネートされたこの歌を敢えて再利用した製作者には心から拍手を送りたい。


 

まさかのエリーちゃんゾンビ化サプライズ!

 

もう絶望しかないラストシーン

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送