犬鳴村

監督:清水崇

脚本:保坂大輔

出演:三吉彩花、坂東龍汰、古川穀、
宮野陽名、大谷凜香、奥菜恵、須賀貴匡

ストーリー

 臨床心理士の森田奏の周りで突如、奇妙な出来事が起こり始める。「わんこがねぇやに ふたしちゃろ♪」奇妙なわらべ歌を口ずさみ、おかしくなった女性、行方不明になった兄弟、そして繰り返される不可解な変死…。それらの共通点は心霊スポット【犬鳴トンネル】だった。「トンネルを抜けた先に村があって、そこで××を見た…」突然死した女性が死の直前に残したこの言葉は、一体どんな意味なのか?全ての謎を突き止めるため、奏は犬鳴トンネルに向かう。しかしその先には、決して踏み込んではいけない、驚愕の真相があった…!

レビュー

 実在する心霊スポット、犬鳴トンネルを題材にしたホラーである。出演者にジャニーズがいないそれだけでも充分信頼に値する1本であるが、「時空の捻れ」や「反復される歴史」といった、これまでの清水作品にも見られたネタを織り交ぜつつ、新境地ともいえる新鮮な恐怖描写を盛り込んだ大変贅沢な作品になっており、思わず「こういうのでいいんだよ!と言わずにはいられない、清水崇監督久々の快心作となっている。

 まず見ていて驚いたのが、本作に登場する幽霊の描写である。「邪願霊」や「女優霊」といったJホラー黎明期の作品では、小中理論と呼ばれる心霊写真のようにぼやけて映る幽霊が登場していたが、本作では技術の進歩により、ぼやけた状態のまま走って追い掛けてくる初めて見た時はあまりの滑稽さに笑ってしまったが、こんな幽霊の描写は今まで見たことがない。幽霊のお決まりの見せ方に飽きていた身としては、新たな心霊描写が見られただけでも嬉しくて堪らないのである。

 今までの清水作品からの進化といえば、「戦慄迷宮3D」でも登場した飛び降り自殺を繰り返す霊の見せ方も最高に悪趣味な形でリテイクされており、車の運転中にフロントガラスに直撃する瞬間は分かっていてもビックリさせられる。物語の根幹ともいえる犬鳴村にまつわる怨念の真相を、イケメンの幽霊君が8ミリフィルムを上映して簡単に説明してくれる展開には椅子からずっこけそうになったが、考えてみれば「リング」も肝心の謎解きは超能力で処理していたので、Jホラーあるあるネタとして素直に受け入れたい。クライマックスでは、「ハウリング」もかくやの獣人ホラーも見せてくれるのも嬉しい誤算であった。

 

ぼやけた幽霊がダッシュで追い掛けてくる斬新な映像

 

心臓に悪いシーン

 

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