コロナ・ゾンビーズ

監督:チャールズ・バンド

脚本:ケント・ルードブッシュ、シルヴィア・スト・クロワ

出演:コーディー・レニー・キャメロン、ラッセル・コッカー、
ロビン・シドニー

ストーリー

 新型コロナウイルスの蔓延により、世界中の人々がコロナ・ゾンビへと変貌を遂げる中、トイレット・ペーパー確保の為に結成されたコロナ・スクワッドは、パンデミックの発端となった武漢のコウモリスープ工場へと向かう…。

レビュー

 新型コロナウイルスの脅威で世界中が大変なことになっている中、このチャンスを逃してなるものかとB級映画の帝王チャールズ・バンドが光の速度で製作したザ・不謹慎映画。出演者はゾンビ役を含めてたったの3名。「ネオン・デーモン」にも出ていたコーディー・レニー・キャメロンと「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド リ・アニメーション」のロビン・シドニー、後はマスクを着用したコロナ・ゾンビ役の男性のみという密を回避したコンパクト仕様であるが、驚くべきことにこの映画は「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」と「ストリッパーvsゾンビ」からの流用シーンが約40分以上を占めており、残りの時間はヒロインがステイホームをしながら延々とニュース画面を眺めているだけなのである。何という新しい映画様式!

 果たしてそんなものが映画といえるのかという疑問もあるが、流用部分の台詞は全てアテレコで新録されており、映像はツギハギだらけでも一貫したストーリーが存在している。「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」の化学兵器が漏れ出すホープセンターは、中国産コウモリスープの缶詰生産工場ということになっており、登場するゾンビは全てコロナウイルスに感染したコロナ・ゾンビ。特殊部隊はトイレットペーパーの買い占め犯を撲滅する為に結成されたコロナ・スクワッドで、同行するのはそれを取材するTVクルー。一方その頃、ストリップクラブをコロナ・ゾンビが襲撃しており、呑気におうち時間を過ごすヒロインは、交互に流れる双方のニュース映像を友達と電話でダベりながら見ているという構成だ。

 全体的な感想としては「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」と「ストリッパーvsゾンビ」のダイジェスト映像集以上の何物でもなく、合間に入る新撮部分は「ヒロインがニュースを見ている」か「コロナ・ゾンビが目の前に現れるが夢オチ」の2パターンしかないので本作を新作のゾンビ映画として楽しむことは到底不可能。流用している映像が「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」だけに、頻繁に流れるゴブリンのBGMに興奮することは出来るが、そもそもこのBGMはブルーノ・マッティがロメロの「ゾンビ」から無断で流用したものなので、流用に流用を重ねた流用のミルフィーユに興奮してる俺は一体何なんだと自問したくなってくる。ラストは「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」の映像にヒロインを合成させる離れ業が披露されるが、ぶっちゃけ頑張れば俺でも出来そうな雑コラレベルの合成なので特段感動もない。コロナ禍の中で作られたコロナ題材のゾンビ映画という意味で価値はあるが、わざわざ貴重な時間を割いてまで観る必要の無い作品だ。

 

「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」の特殊部隊がコロナ・スクワッドに!

 

雑コラにも程があるぞ!

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送