聖ゾンビ女学院

監督:遊佐和寿

脚本:継田淳、遊佐和寿

出演:奥村野乃花、鶴見萌、陶山恵実里、
根本凪、中村朱里、的場華鈴、大塚望由

ストーリー

 新型ウィルスによって、人肉を喰らう死者=通称“ギンプ”が大量発生し、文明の99%が絶滅した世界。とある学園に、ひたすら戦闘訓練に励む7人の少女たちがいた。家族をギンプに殺された孤児であり、外の世界をまったく知らない彼女たちは、未来を託された人類復興の光ともいえる存在だったが、ある事件を機に、学園に対する疑惑を募らせる…。

レビュー

 虹コンだか生コンだか知らないが、一部では大層人気のあるらしいアイドルグループ主演のゾンビ映画である。 ゾンビに支配されて荒廃した近未来を舞台に、人類の命運を託された7人の少女が学園で生活をしながら対ゾンビ訓練を受けているというツッコミどころ満載な設定の本作。「きゃー、ちこくちこく〜!」と寝坊した女の子が朝礼中の講堂に飛び込んでくる冒頭から始まり、その後も「けいおん!」でも見ているかのようなゆるゆるの学園生活が描かれ、対ゾンビ訓練とやらも、動かない的に向かって銃を適当に撃っているだけ。思わずロメロ御大のグーパンが天国から飛んできそうな緊張感のない絵面が続くが、後半で明かされる意外なドンデン返しにより、映画の印象が180度変わる作りになっているのは、どこかで似たような映画を観たような気もするが素直に感心してしまった。

 ゾンビ映画なのにも関わらず、ゾンビは学園の周囲をウロウロしているのみでちっとも終末感がないというロメロイズムに反した映画なのは間違いないが、それもその筈で、この世界で起こったゾンビ騒動はとっくの昔に沈静化しており、学園に隔離されていた少女たちは、ゾンビと人間のハーフとして人工的に生み出された生物兵器だったのだ。そのことに気付いた少女たちが反乱を起こす流れは実にドラマティックであり、映画のクライマックスにはそれまでのフラストレーションを解消するかのように、学園が「外の世界は危険である」というカモフラージュのために用意していた大量のゾンビを一掃する銃撃戦が用意されているのも嬉しい展開であった。銃器のマズルフラッシュやゾンビの流血描写にも製作側の本気が感じられるし、その後に訪れるラストシーンも一見してハッピーエンドのようであるが、冷静に考えると人類滅亡待ったなしの最悪な結末のようにも解釈することが出来て面白い。

 

ゆるい学園生活を送りながら対ゾンビ訓練を受ける少女たち

 

大量のゾンビを一掃するクライマックスは熱い!

 

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