貞子3D

監督:英勉

脚本:藤岡美暢、英勉

原作:鈴木光司

出演:石原さとみ、瀬戸康史、山本裕典
田山涼成、橋本愛、高橋努、染谷将太

ストーリー

 鮎川茜が教師として勤める高校で、ある男の自殺を生中継した動画が噂となる。その動画を見たものはすべて死んでしまうという。そんな時、茜の教え子、典子が不可解な死を遂げる。さらに各地でも同じような不審死が相次ぐ。警察は一様に自殺と断定するが、みな共通して死の直前にある動画を見ていた。その動画からは、「お前じゃない…」という女の声が聞こえる…。

レビュー

 今って3D映画ブームらしいじゃん?でも日本じゃ「アバター」みたいな映画って不可能なワケじゃん?でもほら「リング」の貞子ってTVから出てくるじゃん?じゃあ貞子がスクリーンから飛び出す映画作ったら超ヤベエんじゃね?という極めて低すぎる志しの下で制作されたであろう作品。コメディ映画界で活躍している英勉監督がホラーに初挑戦しており、本人も「本当は笑いの要素を入れたかったけど頑張ってガマンをした」みたいなことをインタビューで語っていたが、完成した本作を見る限りでは全然ガマン出来ていないようにも感じるし、仮に大真面目なホラーを目指して本作のような代物を撮っていたのならば、人間誰しも向き不向きというものがあるので、大人しくブサイクが着るだけでハンサムになれるスーツの映画だけを撮っていてほしかった。

 ストーリーは完全に支離滅裂で、一体何を食って生きていればこんなふざけた話が思い浮かぶのか不思議で仕方がない。「リング」における呪いのビデオテープがネット上の動画になっているのは時代を反映していると思うが、その動画をバラ撒いた張本人である柏田清二というアーティストが、世の中全ての人間を恨む動機が単なるネットでの炎上というのはあまりにも頭が悪すぎるし、いくら現世に復活する為の足掛かりとはいえ、そんなことに手を貸してる貞子にももっとまともな恨みを持った奴を人選しろよと説教のひとつでも垂れたくなる。ちなみにこの柏田という男、呪いの動画をバラ撒く前に女性をさらっては貞子の衣装を着せて井戸に突き落として殺害する行為を何度も(少なくとも20回以上)繰り返していたというツッコミどころ満載の犯罪歴が物凄くさらりと語られるが、これは恐らく井戸から無数の貞子がピョンピョン飛び出してくるという小学生の妄想みたいなクライマックスを先に思い付き、そこから逆算してシナリオを書いたからであろうと推測される。

 タイトルの時点で「リング」のまともな続編であることは期待していなかったが、それにしても本作は「リング」のファンをバカにしているにもほどがある。サイボーグと化したジェイソンが宇宙船で殺戮を繰り広げる「ジェイソンX」も、「エルム街の悪夢」の最新作を撮影中だった映画関係者がフレディに襲われる「エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア」も、一見してこれまで築いてきた世界観を崩壊させる破天荒な内容と思わせつつも、蓋を開けてみればそれまでのシリーズを見続けてきたマニアであればあるほど楽しめるファンサービスに溢れた作品であったが、本作からはそういった旧作ファンに対する愛情が微塵も感じられない。あるのは石原さとみ演じるヒロインの恋人が「らせん」の主人公の息子と同じ名前だとか、中途半端にループ界を匂わす発言をするオバさんがいるなどといったロクでもない小ネタのみで、むしろ「リング」ファンに喧嘩を売ってるとしか思えない。貞子が3Dでスクリーンから飛び出す。はっきり言うが、この映画にそれ以上の価値は無い。

 

 

井戸から出てくるカマドウマのような貞子に観客はみんな失笑

 

貞子を演じるのは橋本愛。可愛いけどミスキャストだろ!

 

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