ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
リ・アニメーション

監督:ジェフ・ブロードストリート

脚本:ロバート・ヴァルディング

出演:アンドリュー・ディヴォフ、ジェフリー・コムズ、
サラ・リーヴィング、ロビン・シドニー

ストーリー

 亡くなった父親の葬儀屋を引き継いだジュニアは、病院から処理を頼まれた怪しげな医療廃棄物を放置した結果、火葬待ちだった遺体を偶然にもゾンビ化させてしまった。世間に知られることを恐れ、必死に証拠隠滅を図るジュニアであったが、そんな彼の前に突現れたのは、弟で警官の仕事をしているハロルドであった。葬儀屋の継承を求めているハロルドはジュニアと交渉をするが、自分の秘密が漏れることを恐れたジュニアはハロルドの殺害を計画する…。

レビュー

 言わずと知れた名作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は、当初のタイトルである「ナイト・オブ・ザ・フレッシュイーター」から改題した際に(C)マークを付け忘れるというアホみたいな凡ミスが災いし、どんなに映画が売れてもロメロの懐には1円も入らない作品として知られている。著作権が存在していないので、誰でも自由にリメイクや続編が作れることから、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」には無数の関連作が生まれており、そしてその大半がロメロの顔に泥を塗るどころか下痢便をぶっ掛けるようなゴミ映画であることは説明するまでもなく、更にその下痢便をぶっ掛けてる連中の中には、ロメロと一緒に脚本を完成させたジョン・A・ルッソーや墓場で現れるファーストゾンビを演じたビル・ハインツマンといったロメロの盟友までもが交ざっていることもゾンビ映画ファンにはご承知の通りであろう。

 そんなエピゴーネン群の中で近年もっとも記憶に新しいのは、ちっとも立体感の出ないぺラい赤青メガネとシド・ヘイグの空回り気味な熱演でファンを心底脱力させた「超立体映画 ゾンビ3D」であろう。3D効果が辛うじて実感出来るのはマリファナの煙だけというタイトル詐欺の凄まじい映画であったが、何よりも酷いのがゾンビの発生した原因が物語の中盤で簡単に判明してしまう点だ。それも、シド・ヘイグ演じる葬儀屋の息子が病院から処理を頼まれた謎の医療廃棄物を火が怖いので(!)焼かずに放置していたからという蛇に足をくっつけたような真相であり、出来れば記憶の奥底に封じ込めておきたい代物であったが、よりにもよってその一番不必要だった部分を90分使ってたっぷりと描いたのが本作である。要は「超立体映画 ゾンビ3D」の前日譚であるのだが、主人公である葬儀屋の息子役は何故か全く顔が似てもいないアンドリュー・ディヴォフに変更されている。恐らく、シド・ヘイグは熱心なロメロ信者に殺害予告でも受けていたのだろうと推測される。

 「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の関連作でありながら、副題の「リ・アニメーション」とジェフリー・コムズの出演で「死霊のしたたり」ファンに媚を売るというデタラメっぷりであるが、内容は更にデタラメで、ジェフリー・コムズは死体を蘇生させるマッドなドクター役ではなくて親父の遺産欲しさに主人公に近付いて殺されるだけの警官だし、ゾンビは映画の開始直後から既に墓場を徘徊しているので前日譚としても何かが間違っているそのゾンビにしても本格的に脅威となってくるのは終盤の15分くらいであり、それ以外はゾンビの存在を隠し続ける主人公と警官のジェフリー・コムズが死ぬほどどうでもいい口論をしているか、主人公の助手らがマリファナでラリパッパになりながら死ぬほどどうでもいい幻覚を見ているだけの映画なので、序盤だけでも原作の展開を踏襲していた前作の方がまだ見所があるといえる。銃器で武装した主人公とヒロインが増えまくったゾンビを一掃するクライマックスも、ショットガンで頭を撃たれたゾンビの額に小さな穴が空くというツッコミどころ満載の描写を繰り返し見せられる羽目になり、フラストレーションは最後まで解消されない。余計なもん作るな。その一言に尽きる作品である。

 

ジェフリー・コムズの無駄遣い。この後すぐ死ぬ

  

ちなみに今回も3D映画なので、こういうシーンが多い

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送