ひきこさんvs貞子

監督:永岡久明

脚本:永岡久明

出演:高山璃子、五十嵐夏実、呉地佑奈、
三浦絵里香、今瀬かのこ

ストーリー

 夏目栞は高校2年生。栞は、学校で理沙を中心とした生徒たちに毎日凄惨なイジメを受けていた。また、家に帰っても両親から暴力や虐待を受け、心休まる事は無かった。ある日、クラスメイトの渚も、栞と親しくしている事を理由にイジメの対象に。そして理沙たちの2人へのイジメが限りなくエスカレートしていった。そんな理沙たちはテレビ番組で話題の「ある実験」を興味本位でやってしまう。その実験によって理沙に禁断の能力が徐々に宿ってゆく…。その頃、巷ではイジメに関わる都市伝説「ひきこさん」が囁かれ、渚と栞もその噂を知るのだが…。

レビュー

 「ひきこさん」とは、学校のいじめや両親からの虐待が原因で悪霊化した女性の姿であり、この「ひきこさん」を題材にしたホラー映画はレンタル屋に腐るほど陳列されているが、実はそれらの作品群のほとんどが永岡久明という名の同じ監督の映画である。2008年に初代「ひきこさん」を手掛けた永岡監督は、翌年の2009年に「真ひきこさん」を監督し、2011年からはバケモンにはバケモンをぶつけんだよ!路線へとシフトチェンジさせて、「ひきこさんvs口裂け女」を、2012年には「ひきこさんvsこっくりさん」を発表。そして、現時点での最新作が2015年の本作「ひきこさんvs貞子」である。DVDのジャケットには、井戸から上半身を出して今まさにどっかの誰かを呪い殺す気マンマンのロン毛で白ワンピ女のイラストがばっちりと描かれており、その姿は誰がどう見ても「リング」の山村貞子であるが、こんなマイナーOV作品が鈴木光司や角川の権利関係をクリアしているわけもなく、実際に劇中で登場するのは大正時代に実在した霊能者であり、山村貞子の元ネタにもなった高橋貞子、長尾郁子、御船千鶴子の千里眼3人娘(名字は微妙に変えてある)である。

 ヒロインが学校で過剰なイジメを受け、それを助けようと手を差し伸べた友人もイジメの対象になってしまい、精神的に限界を向かえた2人が復讐の為にひきこの召喚を決意するというシリアスな序盤こそ正統派リベンジホラーの体裁を取っているが、イジメっ子グループがTV特番に触発されて始めた催眠術遊びが原因で、貞子、千鶴子、郁子の3大怨霊がイジメっ子を依り代にして現世に復活してしまう辺りから、真面目に見ていた数十分前の自分をその辺の鈍器で撲殺したくなるくらいのバカバカしい映画へと変貌を遂げる。中でも、コミカルなBGMと共に登場する医師と外人ナース(どう見ても日本人)の掛け合いは、演じてる役者が心の底から気の毒になるほど盛大にスベっており、ただでさえ低品質な映画の評価をド底辺まで引き下げることに一役買っている。

 肝心のバトルも、前述の通りこれまで散々「ひきこさん」シリーズを撮ってきた監督の作品なので、パワーバランスは当然ひきこ側に大幅インフレしており、貞子以外の2人の霊能力者なんかは一体いつやられたのか記憶を辿っても全く思い出せないくらいに呆気なくひきこに瞬殺されてしまう。イジメられっ子の味方かと思いきや実は全然そんなことはなかったひきこによって、大切な友人を異次元へと連れ去られたヒロインが、貞子と結託して救出へと向かうクライマックスには少しだけ期待が高まるが、念力を物ともしないひきこの完全チートな性能によって貞子は首の骨を折られて敢えなく撃沈。結局、ヒロインも友人もイジメっ子もみんな仲良くひきこの死体コレクションとなって物語はジ・エンドとなる。いまいち何がしたかったのかよく分からない映画であったが、もしかしたら「俺の映画に出てくるひきこさん超つえーだろ!貞子なんか目じゃないぜ!!というのをやりたかっただけなのかもしれない。監督のオナニーのオカズに選抜された貞子は本当にお気の毒としか言いようがない。

 

  

このシーンがめちゃくちゃスベってて見てるのも辛い

 

イジメっ子もイジメられっ子も仲良くご臨終な超バッドエンド

 

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