リアル鬼ごっこ

監督:園子温

脚本:園子温

原作:山田悠介

出演:トリンドル玲奈、篠田麻里子、真野絵里菜、
桜井ユキ、高橋メアリージュン、磯山さやか

ストーリー

彼女たちの名前はミツコ、ケイコ、いづみ。全員、女子。3人は同じ学校のクラスメート?それとも、まったく見知らぬ女子高生なのか?平和な日常は突如崩れ去り、“クライマックス”が一気に押し寄せる。木々の風、森の風、押し寄せる風。女子しかいない風景。女たちの通り。誰かがいつでも見つめている。いくつもの視線。それが風になり、凶暴な疾走となり、凶器となる。いったい、何のために追われるのか?

レビュー

 バカみたいなアイデアの話なのに何故か5回も映画化された上、一体誰が見るのかドラマ版なんてものも作られている山田悠介の「リアル鬼ごっこ」6回目の映画化。これまでの映画も、ツッコミどころが一億ヶ所ぐらい存在する原作を何とかマトモな話にしようとする脚本家のアレンジというか苦肉の策が見て取れたが、今回の映画に関しては監督を任されたのが人格破綻者の園子温だったので、原作に全く目を通さずに「リアル鬼ごっこ」というタイトルから自分が思い付いた話を好き勝手に作るという暴挙に出た。その結果、誰にも理解出来ないシュールな世界観の中で、何だか良く分からないけど女子高生がとにかく惨たらしく死んでいくという超カルトな映画が完成してしまった。なお、「全国のふてぶてしい女子高生の数を減らす為にリアル鬼ごっこをします」みたいな予告は高校生を釣るための悪質な詐欺であり、実際は何だかよく分からないけど女子高生がとにかく惨たらしく死んでいくだけの内容なので、「リアル鬼ごっこ」というタイトルの「自殺サークル2」だと思って鑑賞するのが正解である。

 物語はとにかく複雑怪奇であり、修学旅行へと向かうバスの中で生徒たちが枕投げを楽しんでいたら突如謎の突風によりバスの上半分が吹っ飛び、偶然屈んでいたトリンドル以外全員の上半身がチョン切れる大惨事が起こる。突風から逃げ惑うトリンドルであったが、ふと気付いたら知らない女子高の生徒になっていた。あれ?今までのは夢だったのかしらと安心していたら、今度は教師らがいきなり銃器を乱射して生徒たちを惨殺しはじめる。またしても逃げ惑うトリンドルであったが、交番に駆け込むと自分の顔が篠田麻里子になっていることにショックを受け、更にこの後結婚式が控えているということでパトカーで式場に連行される。ところが、自分の旦那様が文字通りの豚野郎だったので容赦なくぶっ殺して式場を後にすると、今度は真野絵里菜になって駅伝大会に出場していた。この後の展開は完全に理解不能であるが、要は女のいなくなった未来世界で男たちがゲームの中で女をいたぶって楽しんでいたという凄いオチが付く。女が血みどろになって死ぬリョナ要素満載のゲームを楽しんでるプレーヤーは我々観客の姿を暗喩していることは言うまでもないだろう。

 まるでルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」を現代日本の女子高生で再構築し、ゲップが出るほどのエログロナンセンスを散りばめたようなトンデモ映画であるが、「人生はシュールだ。シュールに負けるな!」という園子温らしい現代を生きる若者に向けたメッセージも映画全体に込められており、エゲつない物語に反して爽やかな余韻を残してくれる。これまでの映画版「リアル鬼ごっこ」とは比較にならないくらい面白い作品であるのは勿論のこと、個人的には園子温作品の中でも1、2位を争うほど好きな映画になってしまった。良いぞ園子温、もっとやれ!

 

        

   バスの上半分が吹っ飛ばされて大惨事になる冒頭         謎の突風は女子高生らの体を容赦なく真っ二つにする

 

   

 股間から豪快にワニに食われる女子高生。演者も大変だな…     とにかくグロ、グロ、グロ!園子温ワールド全開!

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