ヌイグルマーZ

監督:井口昇

脚本:井口昇、継田淳

原作:大槻ケンヂ

出演:中川翔子、武田梨奈、市道真央
猫ひろし、高木古都、北原帆夏

ストーリー

 綿状生命体の最強戦士ドゥーマアは、鮎川冬子が作っていた娘の誕生日プレゼント用のテディベアの体内に辿り着き、冬子の娘・響子と出会う。響子から“自分を必要とするエネルギー”を感じ、再び生きる目的を見つけたドゥーマアは、ピンクのテディベア“ブースケ”として、響子を守るために生きる事を決意する。そんな中、ロリータファッションに身を包んだ冬子の妹・夢子が、冬子の家で居候を始めるが何をやってもドジばかり。ダメダメなダメ子として響子にも嫌われてしまう。落ち込む夢子を見るに見かねたブースケは夢子を叱咤激励。自分と共に響子を“姫”として守れと命じるのだった。

 一方、もう一人の戦士・黒いテディベア“デパルザ”は、人間世界を呪う男・タケシと合体し、人間をゾンビ化して操り、人類を滅亡させるという邪悪な計画を推し進めていた。響子の誕生日。レストランに無数のゾンビが現れ、冬子の命を奪い、響子に襲いかかってきた。響子を助けるべく奮闘する夢子の前に悪の首領チャーリーとその一味、片腕ロリータと超能力少年キルビリーが立ちふさがる。命を懸けて響子を守ろうとする夢子だったが、片腕ロリータの放った銃弾に倒れてしまう。だがその時、ブースケと夢子が合体、全身ピンクのヌイグルマーに変身する。激しい戦いの後、チャーリーたちは復讐を誓って去って行く。しかしその数年後、チャーリーの恐るべき計画は秘密裏に進められ、高校生に成長した響子に魔の手が迫る…。

レビュー

 特撮ヒロイン作品とゾンビ映画を融合させ、更に井口昇が大好物とされるオナラネタ、恥じらいながら晒されるオッパイ、カタワ女などを強引に物語にねじ込んだ、どこを切っても井口テイストな井口昇の金太郎飴状態のカオスムービー。とは言うものの、「片腕マシンガール」に代表されるような強烈なゴア描写は影を潜め、極めて大衆向けに作られているのが今までの井口映画と大きく違う点である。原作は「バトルガール」「STACY」などの一癖ある和製ゾンビ映画とは切っても切れない関係にある大槻ケンヂであり、テーマソングも彼が率いるロックバンドの「特撮」が手掛けた曲を主演の中川翔子がカバーしている。

 ぬいぐるみと合体した変身後のヒロインの姿は「デッド寿司」に続いて井口ゾンビの出演となる和製女ドラゴン・武田莉奈が演じており、ピンク色の戦闘服に身を包んでゾンビの群れを薙ぎ倒していく姿は、アクションのキレの良さもあって文句なしの格好良さだ。「バトルガール」の大失敗から20数年、ついに特撮ヒロイン作品とゾンビ映画が奇跡的な融合を果たしたのは嬉しい限りであるが、このジャンルのお約束ともいえる“噛まれた犠牲者がゾンビになる”シーンや、“変わり果てた仲間を手に掛けるシーン”が一切無いのは少々悲しい。当然、内臓の露出もなく、ゾンビの血飛沫が突然可愛らしいハートで処理されるなどの少女趣味が全編に溢れている…かと思えば、蕎麦つゆを使った超マニアックなフェチズムが突拍子なく披露されたりするので、一体どんな層がこの映画を喜ぶんだという疑問もある。とりあえず、中川翔子が好きだという理由だけでこの映画を手に取るのは避けた方が無難である。

 

片腕マシンガールを彷彿とさせる片腕ロリータ

 

死霊の阿波踊り

 

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