ジュラシック・ワールド

監督:コリン・バッズ

脚本:マイケル・デバージャム

原作:コナン・ドイル

出演:ピーター・マックレー、レイチェル・ブラケリー
ウイリアム・スノウ、デビッド・オース

ストーリー

 チャレンジャー教授は未開の地で、ある男の死に立ち会う。男が残した日誌と写真からチャレンジャーは恐竜の現存を確信する。彼は学会で自説を披露し、激しく反発する聴衆に対して調査の同行を呼び掛ける。メンバーとなったのはサマリー博士、冒険家のロクストン、記者のマローンと資金提供を申し出たミステリアスな女マーグリット。この5名の探検隊は日誌に記された“謎の台地”を目指して恐竜探しの旅へと出発する。

レビュー

 「ジュラシック・パーク」最新作の題名が「ジュラシック・ワールド」になったと聞いて、真っ先にこの詐欺映画を連想してしまった人は少なからずいると思う。詐欺映画と書いたが、実際は映画でも何でもなく、コナン・ドイル原作「失われた世界」を映像化した「ザ・ロストワールド」という海外の連続ドラマから幾つかのエピソードを抜粋して乱雑に編集した恐るべき代物なのだ。本作と同じように「ザ・ロストワールド」のエピソードを抜き取って強引に1本の作品に仕立てあげた映画は他にも存在しており、「インセクタ」や「猿の大陸」といったロストワールドのロの字もない邦題恐竜のキョの字すら出てこないジャケットで普通にレンタルビデオショップに並んでいたりするのでB級映画ファンは注意が必要である。

 チャレンジャー教授らが失われた世界へと旅立つ序盤はコナン・ドイルの原作に忠実に進行し、その後は完全オリジナル展開という名の壮大な尺伸ばしが延々と続くのがこのドラマシリーズの特徴であるが、それを強引に圧縮した本作では様々なエピソードが赤い彗星の如く通常の3倍速で進行していく。登場人物が巨大食虫植物に襲われたと思ったら唐突にセクシーなブロンド美女のターザンが登場し、あれ?恐竜が全然出てこないぞ…?とガッカリしつつも小腹を満たす為にカップラーメンのお湯を沸かしにキッチンへ行ってTVの前に戻ってきたら、低クオリティなCGのヴェロキラプトルが出てきたので恐竜キター!と大興奮しているとピーッ!とお湯が沸いたのでダッシュでキッチンにヤカンを取りに行って戻ってみたら恐竜の姿は影も形も無く何故か主人公らは首狩り族の集団に追いかけられていて愕然とさせられる。その後も、カップラーメンが出来るのを待ってる僅か3分の間にドッペルゲンガーが攻撃を仕掛けてくるし、食ってる最中にはドイツ軍の飛行機が落下してくるし、お腹いっぱいになってウトウトしていたら鎧武者との一騎打ちが始まっていたりするので全く以て油断のならない映画である。これぞジェットコースタームービー。

 そんなわけで見所は盛り沢山といえば盛り沢山なのだが、1本の恐竜映画として鑑賞すると恐竜の登場時間は僅か数十秒だし、何より結末が物語の途中で唐突にぶった切られるという恐るべき作品なので、元のドラマシリーズのファン以外には全く以てオススメ出来ない映画である。そのドラマシリーズにしても、我が国では中途半端にエピソードをまとめたDVDが数本販売されているだけなので、「ジュラシック・パーク」最新作の公開を機に恐竜ブームが到来して「ザ・ロストワールド」の全エピソードを収録したDVD-BOXが販売されること密かに願っている。多分、誰も買わないと思うけど

 

首狩り族に狙われるチャレンジャー教授御一行

 

失われた世界には鎧武者だっているんだぜ! 

 

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