ライヴ

監督:井口昇

脚本:井口昇

原作:山田悠介

出演:山田裕貴、大野いと、森永悠希、
入来茉里、森田涼花、山本愛梨

ストーリー

 うだつの上がらないフリーター・田村直人のもとに、ある日突然、謎の男から一冊の小説が届く。同時に母親が拉致監禁された動画がケータイに…。「助けて欲しければ小説の内容をヒントにレースを完走しろ」。直人は困惑しつつも謎の男が指定した場所へと向かってみる。そこには、同じく家族や恋人を拉致された人々が山田悠介の小説「ライヴ」片手に集っていた。この状況は一体なんだ?とりあえず小説を読みながら走り出す直人たちだったが、そこに待ち構えていたのは、想像を絶する謎と狂気のデストラップだった!

レビュー

 中高生が好きな作家のダントツ1位を獲得して全国の大人が首を傾げた山田悠介原作のデスゲーム小説を井口昇が映画化。原作は読んでいないし読む気も無いが、映画を見る限りではスティーブン・キングの「死のロングウォーク」と「バトル・ランナー」を足して2で割ったような内容なのだろう、多分。もっとも、映画は比較的万人向けだった「ヌイグルマーZ」よりも井口テイストが濃厚で、両腕にチェーンソーを装備した新体操少女が大暴れしたり、スライスされた亜沙美の顔面が剥がれ落ちるなどの仕様もないギャグが随所に散りばめられ、山田悠介というよりは完全に井口昇の映画になっている。

 信じられないことに角川文庫創刊65周年を記念して作られた映画とのことで、井口は作品の随所に往年の角川映画に対するオマージュを捧げたという。言われてみれば、原作小説をデスゲームを行う上での攻略本的な扱いで登場させるのは、原作を映画の中の劇中劇とした「Wの悲劇」を連想させるし、物語を真面目に語ってるのか質の悪い悪ふさげなのか判別不能なテイストは「ねらわれた学園」とよく似ている。ただ、それらの映画を見て育ってきたオジサマ方がこの映画を見て喜ぶとは思えないし、だからと言って山田悠介にゾッコンの中高生が見たら、大半の登場人物が顔面破壊や四肢欠損をして惨たらしく死ぬアナーキーな物語に拒否反応を起こすことであろう。そうなると結局、本作を楽しめるのは井口昇のファンだけということになるので、井口昇ファンはいつものバカなノリを楽しむ感じで安心してご鑑賞ください。

 尚、本作は「パズル」の続編にもなっており、あの事件で流産させられた女教師が再び登場し、またしても理不尽なデスゲームに巻き込まれる羽目となっている。あんな目にあったのに、本作ではズリ落ちる短パンを押さつつも尻を振り乱しながら疾走する痴態を晒し、最終的には悲壮感もへったくれもないコントのような死に方をして、一体この女教師の人生とは何だったのだろうかと哲学的な余韻を我々観客に残して物語からフェードアウトする。正直、あの女教師のその後が気になっていたのが本作を鑑賞した大きな理由だっただけに、その酷すぎる扱いには開いた口が塞がらなかった。前作での意味深な扱いは何だったんだよ!

 

  

       前作で生き残った女性教師がこの有様                容赦のないスプラッター描写が満載 

 

  

        物凄く井口映画なワンシーン               ラストシーンの爽やかな余韻は角川映画らしいといえばらしい 

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