ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト
鮮血の美学 

監督:デニス・イリアディス

脚本:アダム・アレカ、カール・エルスワース

出演:トニー・ゴールドウィン、モニカ・ポッター
サラ・パクストン、ギャレット・ディラハント

ストーリー

 医師のジョンと妻エマ、娘メアリーは、休暇を過ごすために森の別荘を訪れる。メアリーは町で働く友達ペイジに会いに行くが、それがすべての間違いの始まりだった。ある若者と知り合いマリファナを吸ったばかりに、彼の父親と仲間に拉致され、ペイジは殺害、メアリーはレイプされたうえ銃で撃たれ瀕死の状態にされてしまう。嵐が迫る中、森で事故を起こし、ケガを負った凶悪犯たちが逃げ込んだ先は皮肉にもジョンの別荘であった。娘に起こった悲劇を未だ知らない両親は彼らを治療し宿を提供するが、瀕死の娘を発見しすべてを知ることに。そこから両親の壮絶な復讐が始まった…。

レビュー

 オリジナル版のウェス・クレイヴンとショーン・S・カニンガムが製作にクレジットされている「鮮血の美学」のリメイク版。低予算に加え、技術的に未熟な点が多く見られたオリジナル版と比較すると、映画の出来としては本作の方が格段に上ではあるが、オリジナル版の最大の魅力でもあった製作者の悪意ある毒気は大幅に薄まってしまい、さながら「悪魔のいけにえ」「テキサス・チェーンソー」になってしまったかのような味気無さを感じてしまう。

 ある一点を除いて物語の大筋に大きな変化は無いものの、ヒロインらがチンピラになぶられるシーンはお漏らしも無ければ強制レズも無くて全然ネチっこさが足りないし、笑えないショートコントで話の腰を折りまくっていた警官コンビも登場せず。不愉快さに拍車を掛けていた陽気なカントリーソングも流れないし、両親の復讐方法に至ってはチェーンソーも出てこなければチン食いフェラもなしで、製作者はあの映画の何がウケたのかを全く理解していないように思える。ただ、直接的な残虐シーンが少なかったオリジナル版に対し、本作ではディスポーザーでの手首ミンチや電子レンジでの頭爆破といった、家電製品の間違った使用法によるゴアシーンが丹念に描かれているので、血飛沫が大好きなスプラッター好きの人間は本作の方がより楽しめるかもしれない。

 上手いと思ったのは、ヒロインが強姦された後に湖に入る理由がオリジナル版と本作では正反対だということ。旧ヒロインは己の命を絶つ為に祈りの言葉を口にしながらフラフラと入水していったのに対し、本作のヒロインは水泳選手という都合の良い設定もあり、華麗なフォームの泳ぎでチンピラどもをグイグイと引き離していくのが実に痛快だ。しぶとく、逞しいヒロインとして描かれているのが如何にも現代的で面白いが、銃弾が直撃したのにも関わらず、しっかりと自分の足で家に帰ってくるのはいくら何でも逞し過ぎるような気もするし、父親が医者というこれまた都合の良い設定により、一命を取りとめてラストまで生存してしまうのは流石にオリジナル版の精神を蔑ろにし過ぎているようにも感じた。せめて、両親の元に辿り付いたものの、応急処置もむなしく力尽きてしまう設定にしておけば、その後の過激な復讐劇にも説得力が生まれたのだが…。

 

華麗な泳ぎでスイスイスイ。現代女性は強い!

 

電子レンジで頭部が破裂するチンピラ

 

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