アイス・ジョーズ

監督:スコット・ホイーラー

脚本:タジ・ナガオカ

出演:アレクサンダー・メンデラック、ケイト・ノタ
ベンジャミン・イースターデイ、ケイル・カントウェル

ストーリー

 スプリング・シーズンを迎えたマンモス・マウンテンでスキー客が次々と失踪。山に伝わる伝説の怪物、スカッカムの仕業なのか?惨劇は続き、ついに姿を現したモンスター。それは雪の中を猛スピードで泳ぎ、地上の獲物に喰らいつく獰猛な人喰いザメ“スノー・シャーク”だった。神出鬼没のハンターに襲われ、大パニックに陥るスキー場。保安官のアダムや海兵隊員のウェイドは決死の戦いを挑むが、不死身の化物を倒す手段はない―。

レビュー

 近年のサメ映画はサメが津波と一緒にスーパーマーケットに突撃してきたり、台風と共に空から降ってきたり、頭部が2つも3つもある奇形種が登場したりと、ブロディ署長も全力で空振り三振な変化球をブン投げてくることが多いが、今作は何とスキー場にサメが現れ、雪から背ビレを覗かせてスイスイと縦横無尽にスキー客を襲いまくる。どうして急にこんなヤツが出てきたのかというと、どうやら雪山を守る“スカッカム”という名の精霊だか守護神だかを祀ってある聖なるトーテムポールだか御神木だかが雪崩で倒れてしまい封印が解けてしまったからなのだそうだ。じゃあ何でその精霊がサメの姿をしているのかについての説明は特にないが、恐らくサメありきで企画した映画だからであろう。

 それはともかく、雪山に突如現れたサメによってゲレンデを満喫しにきたバカたちが次々と犠牲になっていくわけであるが、登場人物らが必死にスキー場の閉鎖を呼びかけても、スキー場のオーナーや町長は「観光客が減ったら困るから無理だし、つーか雪山にサメが出るわけねーだろバカ」と聞く耳を一切持たない辺りは純粋に「ジョーズ」のパロディとして楽しめる。登場人物はゲレンデでワンチャンすることしか考えて無さそうなバカな若者以外にも、保安官や海兵隊員、更には海洋生物学者など、サメ映画においては最強のパーティーと言っても過言では無い面子が揃っているのにも関わらず、何せ相手はサメの形をした精霊なので、いくら保安官や海兵隊員が小銃をバカスカ乱射しても全く効果は無いし、海洋生物学者の女に至っては、雪山を泳ぐサメなんぞは彼女の専門外な上に、そもそもこのサメは生き物ですらないのでコイツのスペックはマジで何の役にも立たずに終わる。

 そんな無敵のチート性能を持つアイスジョーズが相手なので、どんなアニマル・パニック映画でも見せ場として用意されているクライマックスの対決も、登場人物らは特にこれといった反撃も出来ずにオロオロあたふたしながら為す術もなくやられていく一方で全く収拾が付く気配も無いが、そこで場面が切り替わり、アイスジョーズ騒動など知る由もなくスキーを楽しんでいたモブの日本人女性が、発端となった倒れたトーテムポールを何となく元の場所にブッ刺した瞬間にアイスジョーズが消失してメデタシメデタシとなる。全く以て理解の出来ない結末であるが、もしかしたらワールドカップの試合終了後にゴミ拾いして帰る日本人の美化意識を皆も見習おうぜ!的なことを伝えたかったのかもしれない。あと、物語中盤でアイスジョーズに食われた彼女に愛を伝えられなかったことを悔やむ男が突然愛に目覚めて「俺は君たちを愛してる!両親や仕事も愛してる!この世の全てを愛してるんだー!」と叫んだ瞬間にバクッと食われて死亡するという本気でワケの分からないシーンがあったが、もしかしたら愛し上手アイスジョーズを掛けたダジャレだったのかもしれない。

 

愛をシャウトした結果、アイスジョーズに食われる愛し上手

 

 この日本人はマジで一体何だったんだ!?

 

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