ファイナル・ガールズ
惨劇のシナリオ

監督:トッド・ストラウス=シュルソン

脚本:M.A.フォルタン、ジョシュア・ジョン・ミラー

出演:タイッサ・ファーミガ、ニーナ・ドブレフ、
マリン・アッカーマン、アレクサンダー・ルドウィグ

ストーリー

 有名なホラー映画女優だった母・アマンダを交通事故で亡くしたマックス。3年後、失意の底から立ち直った彼女は、友人たちに誘われ、母が出演していた80’sホラー映画を鑑賞することに。ところが突然、映画館で火災が発生。パニックになって逃げ惑う中、気が付くと、物語の中に入り込んでしまう。冒頭シーンが目の前で起こったり、映画の登場人物のはずのカートたちに会ったりとありえない出来事に戸惑いながらも、ナンシー役を演じている母にも会え、マックスは喜びの涙が止まらなかった。だが、当然、殺人鬼ビリーも出現し、次々とシナリオ通りに殺されていく…。母の命が危ない!!マックスたちが加わったことで、ストーリーは変わるのか?!それともシナリオ通りに終わってしまうのか…?!

レビュー

 スラッシャー映画には「セックスしたカップルは殺される」「マリファナ吸ってる奴も死ぬ」「ファイナルガール(最後まで生き残って殺人鬼に止めを刺すヒロイン)は大抵処女といった暗黙のルールが存在していることは、故ウェス・クレイヴン監督の「スクリーム」シリーズでも散々ネタにされていたし、近年では「キャビン」で、それらのお約束事が実は謎の組織によって巧みに操作されたものだったという大胆な脱構築が行われていたものだが、本作もそんなメタホラーの流れを組む作品のひとつといえるだろう

 3年前に母親を交通事故で亡くして以来、心を閉ざしているヒロインは友人たちに誘われ、80年代に公開され今も根強いファンを持っている血まみれのキャンプ場」というスラッシャー映画のリバイバル上映会に参加する。実はこの映画、ヒロインの母親が生前に出演した作品でもあり、その役回りは体育会系の男と湖畔のキャンプ場でセックスをしていたら仮面の殺人鬼に殺され序盤で退場するという非常に分かりやすボディカウント要員。そんな事情もあってか、極めてダウナーな気持ちで映画鑑賞をしていたヒロインであったが、ここで「ファイナル・デスティネーション」的な偶然の連鎖で劇場が火災に見舞われる。逃げ場を求め、ヒロインと友人たちは上映スクリーンを切り裂いて裏側へと避難するが、光に包まれたその先は何と今まで鑑賞していた血まみれのキャンプ場」の世界だった...という導入部からして既に楽しい作品である。

 ヒロインたちは、どいつもこいつも今すぐぶっ殺されそうなオーラがぷんぷんしている白痴ヅラした「血まみれのキャンプ場」の登場人物らと協力して殺人鬼の撃退を目指すものの、隙あらばセックスしようとする股がユルユルのバカ共に悪戦苦闘。それに加え、劇中でファイナルガール担当の筈だった女性が不慮の事故死を遂げるという予想外のハプニングも起こり、ますます生存率は絶望的に。奮闘空しく現代メンバーと80年代メンバーの両方の数が減っていく中、ヒロインは本来なら序盤で退場するはずだったがセックス妨害作戦により生き永らえた母親と徐々に絆を深めていく。生き延びたら共に暮らすことを約束する2人。しかし、彼女たちは気付いていなかった。殺人鬼を倒せるのは最後に残った女性だけ。ファイナルガールは絶対に1人でなければならないということを。

 基本的にはユルいタッチで進行していくホラーコメディであるが、スラッシャー映画のお約束を抱腹絶倒のギャグへと見事に昇華していたり、前述した親子愛のドラマが割と本気で泣かせてくるものだったりと作り手のセンスの良さやジャンルへの愛情がひしひしと感じられる作品であるが、だからこそゴアシーンは誤魔化さずにきっちりと描写してほしかったというのが本音である。特に本作の元ネタになっている作品がトム・サビーニ先生のキレッキレな特殊メイクが存分に堪能出来る13日の金曜日」なだけに、血糊の一滴もロクに見せてくれないのは何だか腑に落ちないものを感じてしまった。

 

80年代スラッシャーの世界にワープした現代っ子たち

 

 

殺人鬼のキャラは完全にジェイソンそのもので楽しい

 

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