EATERS
イーターズ

監督:ルカ・ボニ

脚本:マルコ・リストーリ

制作総指揮:ウーヴェ・ボル

出演:グリエルモ・ファヴィーラ、アレックス・ラックチェシ、
クラウディオ・マームギ、ロセラ・エルミ

ストーリー

 世界はゾンビの大群に支配され、その感染によって人類は壊滅状態に陥っていた。イゴールとアレンの2人のゾンビハンターと、人類に何が起こったのかを調べている科学者のジャイノは要塞の様な建物の中の研究施設とシェルターに住みついていた。2人のハンターは、街に繰り出しゾンビを駆逐し、捕獲したゾンビはジャイノの実験台として連れ帰っていた。実験室の格子の中に座り込む女性がいた…。それはアレンの恋人のアレクシスでウイルスに感染していたが、まだゾンビ化はしていなかった。しかし、ジャイノの実験はエスカレートし、人類とゾンビの混血を作ろうと、実験の範疇を超え正気を失いつつあった。イゴールとアレンが2日程ゾンビを狩って要塞に戻った時には、既にジャイノは感染し、人としての理性を全て失っていた…。要塞の中はゾンビが彷徨い、安全性は既に無く、2人は脱出を試みる…。狂気のゾンビとなったジャイノとの対決はどうなるのか!?アレクシスはいったいどうなったのか?

レビュー

 制作総指揮ウーヴェ・ボルのクレジットに一抹の不安が過ぎるが、どうやらボルは資金提供をしただけであり、映画の内容には一切ノータッチということらしいのでご安心頂きたい。物語は、ゾンビ・パンデミックの起こった世界で、ゾンビ相手にキチガイ染みた研究をしている博士と、むさ苦しい軍人らがシェルターで共同生活をしているという、もはや何十回目かも分からない「死霊のえじき」のトレースであるが、主役である軍人2人のオッサンのユーモア溢れる軽快なトークが妙に心地良かったり、マカロニ・ゾンビらしく汚いゴアシーンが随所に溢れていたりと、オリジナルとの差別化を図るのに成功している。色調を抑えたモノクロ調の映像で終末世界を演出して見せる手腕もなかなかのもので、少なくともウーヴェ・ボル兄貴のゾンビ映画よりかはセンスの光る作品であることは間違いないであろう。

 ただ、物語の運びは大いに問題アリで、基本的に本作の内容は序盤で博士にゾンビ捕獲を命じられた主役コンビがチンタラチンタラ車を走らせ、思い付きであっちへこっちへと寄り道をしまくるだけのお話なのだが、只事ではない程のテンポのトロさや、全く必然性の感じられないエピソードの積み重ねにより、観ているこちらの集中力が最後まで持続しないのは致命的である。例えば、“大画家”と呼ばれている死体の絵を描き続けているキチガイの家に行き、ゾンビの頭部と引き換えに食糧を分けて貰うエピソードがあるのだが、あのキチガイは結局何者だったんだ?と考えていると、今度は、ゾンビと人間をバトルさせて楽しんでいるナチスの格好をした別のキチガイ集団が登場。一体こいつらは何の為にこんな事をしているの?と思って見ていてもその理由は明かされず、今度は空腹に耐えきれずに生存者を食って生き長らえていた別のキチガイが現れたりするので、何だか途中でどうでもよくなってくる。

 その他にも、主人公が何者かに気絶させられて拉致される事態が何故か終盤に2度も起きたり、ゾンビを超えて神に等しい存在となった筈の博士が、事前に傷が急速に治癒していく描写を挟んだのにも関わらず、普通に頭を撃たれただけで簡単に死んだりと、脚本の未完成具合が尋常ではない。そもそも事の発端が、主人公の嫁が不妊治療薬を何となくノリで死体に打ってみたら死体が甦った!という、バカッターの悪ふざけレベルのものなので、ラストの変わり果てた嫁との別れのシーンにも全く同情出来なかった。だが、前述の通り、主役コンビの掛け合いは非常に楽しめたので、このコンビでの続編があれば是非観てみたい気もする。

華の無い映画であるが、このコンビの掛け合いは面白い 

 

マカロニゾンビらしい汚いゴアシーンも満載

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送